51.侮れない男 ページ1
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真加部村には色んな地区がある。
学校とかがある北東の首塚。真逆の南西には足削。東には指括。西には腕切。
まるで首を起点に人の体を模しているように中央の背拉、踵疋、膕塚。
テヒョン曰く、その地区に一つ小さな小屋と地蔵が飾られているらしい。
｢……一個一個行くの、多くない？｣
｢おれ、全部行ったよ。多分変なやつあったところは背拉だったと思うんだけど……｣
｢メモとかしてないの？｣
｢……メモ？｣
｢ううん、なんでもない｣
テヒョンの探検は殆ど散歩のようなもので、学術的なフィールドワークとは真逆だった。
それを求めるのもなんだか可哀想だと思い直して反省。
｢……とりあえず、行きますか｣
｢ごめんね、荷物持ってくれて｣
｢A先輩は病み上がりですから｣
そう言って私の少なめな荷物を持ってくれてるジョングクくん。紳士。
自分の見つけた秘密の場所に連れていくからか、心做しか楽しそうに見えるテヒョン。
……そして、その後ろをどんよりとした顔で着いてくるジミンさん。
｢大丈夫ですか？ 着いてきちゃって｣
｢……うん。テヒョンのこと心配だし｣
お祭の夜にあった出来事で、ジミンさんは相当肝を冷やしたらしい。
テヒョンはケロッとした顔で｢ジミンに怒られちゃった｣と言っていたけど、ジミンさんにとっては上司と息子がバトったような感覚だったんだろう。
破天荒な上司と息子に挟まれてなんとも不憫。
まあ、ジミンさんは私を見捨てがちだから同情は出来ないけど。
｢……僕は何も話せないからね｣
｢わかってます。ジミンさんも辛い立場なんでしょ？｣
｢ありがとう、Aちゃん｣
うるうると目を潤ませながら私を拝むジミンさんだったけど、物凄く小声で｢素直に贄になってくれればな｣と呟いたのを聴き逃しはしなかった。
ジミンさんはやっぱり侮れない。
｢ちなみに、背拉には変な神様居ないよね？｣
私が念の為そう確認すると、一斉にジミンさんに視線が注がれる。
｢うーん確か、空き家だったと思うよ？｣
｢……神様の世界でも空き家って言うんだ｣
｢専門用語で言っても分かんないでしょ？｣
｢もう神様用語はお腹いっぱいです｣
｢行きますよ〜、二人とも｣
｢早く〜｣
先に歩き出していたテヒョンとジョングクくんの声に急かされるように、ゾロゾロと連れ立って背拉の山に向かって歩き出す。
気候はやや曇り。学校はサボりました。
そんな緩い雰囲気で、私たちの手掛かり探しはスタートしたのであった。
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sai(プロフ) - カナタさん» ちょっと抜けてるナムジュンめっちゃ好きで、好きが高じてこうなりました 笑 ハーレムになってからが本編です……！ (2020年4月10日 17時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ナムジュン可愛いです(笑)求婚の貢物届けるナムジュンと知ってても教えないお父さんが(笑)ヒロインちゃん・・・イケメン神様達のハーレム羨ましい(´；ω；`) (2020年4月10日 1時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 完結までありがとうございました！ その後も読んでもらえて嬉しいです〜ジミンちゃんは許しませんよ 笑 ぼちぼち続くので、また読んでやってくださーい！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - LiLiさん» ありがとうございます〜 オチだけは決めてたので、楽しく読んでいただけて何よりです！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 凄く面白かったです！最後はみんなで仲良く暮らせてよかったです^^テヒョンの自分だけ仲間外れ感からの第一志望に笑いました(笑)ジミンちゃん許してくれたの？(笑)お父さんしてるユンギさんも可愛いかったです！番外編などあったら是非読みたいです^^完結お疲れ様でした (2020年3月20日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月27日 10時
