71.人肌 ページ22
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もう少しで龍穴に辿り着く、そんな頃だった。
遠くの方でガラガラという音が聴こえて、振り返ると私達の落ちてきた穴から光るものが落ちてきた。
目を凝らして見ると、その姿は人の形をしているのが分かる。
ソクジンさんだ。
しかも、多分意識が無いのか頭から真っ逆さまに落ちている。
｢ソクジンさんっ！！！！！｣
間に合うかどうか分からないけど、私は思わず手を伸ばした。脇腹がズキンと痛んだけれど、咄嗟の事だったから加減なんか分からない。
今までで一番力が大きくなる感じがあった。
風のように飛んでいく私の不思議な力は、木々の中に埋もれていくソクジンさんを追いかけて、見えなくなった。
｢……どうしよう｣
｢A……｣
｢間に合った……と思います。音が聞こえないから｣
確かに音が無かった。だけど、聞こえないくらいの重い音だったのかもしれない。
ひんやりと肝が冷えた気分で背後の風景を見る。
すると、テヒョンが握ったままの手に力を込めた。
｢……行こう｣
｢でも、｣
｢行かなきゃ、もうすぐなんだから｣
ぐいっと手を引かれて、私は前を向かされる。
テヒョンの横顔は硬く前を見据えたままで。
｢全部が終わったら、助けに行きましょう｣と慰めてくれるジョングクくんも、戻ろうとは言わなかった。
私は思わずジミンさんを見た。ジミンさんの目が揺れている。
｢あの、ジミンさん｣
｢……うん｣
｢よろしくお願いします｣
私がそう言うと、最初から何を言うのかわかっていたかのようにジミンさんは踵を返した。
すぐ目の前には龍穴がある。
ジョングクくんが整えてくれた道を辿っていくと、ようやくその全貌が顕になった。
｢……この木、あったかい｣
ジョングクくんの呟きは龍穴のすぐ傍の木々に向けられていた。
今なら分かる。これは贄たちだ。
人肌を持つ不思議な木。
ソクジンさんはなんの意味も無く木にされていると言ったけれど、本当は違う。
この龍穴を守っているんだ。
｢……気持ち悪い｣
感じるのは不気味な雰囲気だった。まるで色んな人間の顔を圧縮して圧縮して貼り付けたような生命力の圧が龍穴から感じられる。
真珠色に光っているように見えたそれらは、皮膚みたいな表面をしていた。
陰の気とはよく言ったと思う。
｢あれ、かな？｣
テヒョンがぽつんと呟いた先にある鏡のようなもの。贄たちが守るように埋まっている。
くすんだ表面は光を通さず、石の板のようにも見えた。
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sai(プロフ) - カナタさん» ちょっと抜けてるナムジュンめっちゃ好きで、好きが高じてこうなりました 笑 ハーレムになってからが本編です……！ (2020年4月10日 17時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ナムジュン可愛いです(笑)求婚の貢物届けるナムジュンと知ってても教えないお父さんが(笑)ヒロインちゃん・・・イケメン神様達のハーレム羨ましい(´；ω；`) (2020年4月10日 1時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 完結までありがとうございました！ その後も読んでもらえて嬉しいです〜ジミンちゃんは許しませんよ 笑 ぼちぼち続くので、また読んでやってくださーい！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - LiLiさん» ありがとうございます〜 オチだけは決めてたので、楽しく読んでいただけて何よりです！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 凄く面白かったです！最後はみんなで仲良く暮らせてよかったです^^テヒョンの自分だけ仲間外れ感からの第一志望に笑いました(笑)ジミンちゃん許してくれたの？(笑)お父さんしてるユンギさんも可愛いかったです！番外編などあったら是非読みたいです^^完結お疲れ様でした (2020年3月20日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月27日 10時
