次はさせて下さい 4 【降谷零/安室透/怪盗キッド】

episode 156 ページ28

『2人には幸せになってほしい』

本当に…心から願う
私にも何かさせて欲しい

そんな独り言を言っていると
降谷さんが車に乗って迎えに来てくれた

降｢すまない。おばあさんが荷物を持っていてな｣

『大丈夫ですよ』

降谷さんらしいな…
どんな人にも誠実に対応する

『運転、よろしくお願いします』

降｢任せておけ｣

車を走らせる
2人きり

降｢A｣

『はい？』

降｢今から俺の我儘を聞いてくれるか？｣

『なんですか？』

降｢手を…｣

『手？』

降｢手を握っていてもいいか？｣

『え…』

運転してるのに
手を握ったまま出来るんだろうか…

降谷さんなら出来そうだけど…

『運転に集中できるんですか？』

降｢それは、大丈夫だ。Aが乗ってるのに事故なんて起こすわけないだろ｣

『でも…』

降｢A｣

『〜っ』

そんな目で見つめないで…

『わ…分かりました。』

降谷さんが左手を差し出す
私はその手をぎゅっと握る

するすると指を絡めてくる
降谷さんの手が暖かい…

手を通して伝わってくる
私の気持ちも手を通して伝わってしまいそう

『えっと…』

降｢ん？｣

『指を…』

降｢今だけだから…｣

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