次はさせて下さい 4 【降谷零/安室透/怪盗キッド】

episode 144 ページ16

降「はい。
…分かりました」

少しして電話が終わり
降谷さんがそっと手を握る

降「仕事の電話じゃなかったから…
そんな顔をするな」

『え？』

降「残念がってるぞ」

『そんな事…』

ないですと言えない自分がいる
本当に私が私でなくなってしまいそう…

『電話、本当に大丈夫なんですか？』

降「あぁ。気になるか？」

『仕事の連絡なら気になります』

降「…」

『降谷さんが気にしなくて良いと言うならもう、気にしませんけど…』

急に静かになるのも困る
なんだか表情も暗くなってる気がするし

降「Aは…」

『？』

降「どうすれば、俺との距離が縮まる？」

『え…』

降「どうすれば、Aの近くにいられる？」

『…』

降「俺にも幼なじみと同じような自然なAを見せて欲しいと思っている」

『降谷さん…』

降「どうしたって年数には勝つことが出来ないからな…」

降「今からでも俺がAに出来ることはなんだ？」

『出来ること…』

そんな風に思ってもらえていたことが素直に嬉しい…

『今まで通りでいてもらいたいです…』

降「…」

『私は降谷さんにもっと、頼ってもらいたいです』

『その為に今の職場にいて…
降谷さんのそばで仕事がしたくて努力してるんですから！』

降「〜っ！！」

『私は降谷さんに頼ってもらいたいです！』

降「A」

嘘偽りのない言葉
降谷さんに頼ってもらいたい…
頼ってもらえていないから私は距離があるんだと思う…

『答えになりましたか？』

降「そうだな…
じゃあ、さっそく頼らせてもらう」

『！』

手を握られる
…それも

『ちょ…』

降「頼っていいんだろ？」

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