46.今日から吸血鬼 end. ページ46
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――ノルウェーに行ってから、テヒョンは何かが変わった気がする。
｢おはよA｣
｢おはよう｣
なんかすっかりテンションが落ち着いたというか……普通な感じになった。
相変わらずスキンシップは多いけど、なんだか穏やかになって、それが逆に恥ずかしい。
｢……どしたの？｣
｢いや……｣
今更手を繋ぐのが恥ずかしいと思うだなんて、おかしいだろうか。
でも、元々付き合ってもいない男女が手を繋ぐのがおかしいんだ。
前はテヒョンの不思議キャラに流されるままにそうしていたけど、今は何か……意味合いが変わってきた気がする。
私が変わったのか、テヒョンが変わったのか。それともどっちもなのか。
｢あ、ソクジン先輩から電話あったよ｣
｢なんて言ってた？｣
｢とりあえず、人はもう噛むなって｣
｢それは私も賛成｣
｢あと、行き場がなくなったらスイスにおいでって｣
｢……味方なの？ あの人｣
｢とりあえず、Aのことは仲間にしてくれたみたい｣
｢そう……｣
仲間になったって言葉をちょっと噛み締めた。もう、血を飲むのも抵抗は無くなったし、ノルウェーの件で腹も括った。
死ぬのが怖いなら、生きるしかない。それに、せっかく生きるなら楽しんで生きる方がいい。
｢テスト勉強全然出来なかったな｣
｢いいよ、勉強なんてしなくても｣
｢テヒョンは何年も生きてるのに勉強しないんだから、勿体ないよね｣
｢そうかなあ……｣
ブラブラと登校しながら、私ははたと足を止めた。
そして徐に鞄に手を突っ込んで出したのは、いつしかの作りかけのマスコット。
テヒョンがずっと持っていたアレを、私はようやく完成させた。
｢あ、ハートついてる！｣
｢可愛いでしょ？｣
｢可愛い｣
ぱあっと顔を明るくしたテヒョンに、私も微笑み返した。紫のスパンコールで縁取られた、センスがいいとは言えない飾りを、テヒョンは目を細めてなぞる。
｢Aのハートだ｣
｢……なにそれ、恥ずかしいんだけど｣
｢俺のハート！｣
テヒョンはニコニコと私を見つめて、そしてそっと頬に手を添えてきた。
｢A、大好き｣
｢……何、急に｣
｢俺、Aが大好き｣
ふざけているようで、どこか真剣味もあるその言葉に、私は思わず顔を赤くした。
｢あ、ありがとう……？｣
｢にひひ｣
照れてる、と言われて、私は思わずテヒョンの手を叩く。
｢返事はいつまでも待つよ。ずっと一緒だしね｣
そう言ってテヒョンは、マスコットのハートにキスをした。
あとがき〈追記〉→←45.君は知る由もない〈side TH〉
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sai(プロフ) - のんさん» はじめまして、コメント＆読了ありがとうございますー！ 番外編もちょいちょい書きますので、また読んでください´`* (2019年9月14日 23時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。完結してしまって…しばらく吸血鬼ロスでした。番外編嬉しいです！楽しみにしています！ (2019年9月14日 19時) (レス) id: 94dc845851 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - チョコさん» 完結までお付き合いいただいてありがとうございまーす！その後の進展(？)した二人も書きますね〜！読んでくださってありがとうございました！ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - AULA−輝きさん» ストーリーがダラダラしそうで大分（他メンのエピソードとか）色々削ったので、ぼちぼち番外編てやりたいですね〜！ジミンちゃんの今的なやつもやってみようと思います^^ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - わぁ〜！完結しましたね！今回は推しということもあり楽しませていただきました！続編、見たいです！！基本的には作者さんにお任せですがやっぱりデートシーンみたいなのはほしいです笑笑 (2019年9月10日 1時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年8月29日 11時
