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13.人外流読心術 ページ13

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「俺なら大丈夫だよお」とテヒョンがジョングクと呼ばれた後輩男子に抱きついた瞬間、図書館中の視線が二人に突き刺さるのが見えた。
突然始まった男子生徒の熱烈なハグに、一部女子は微かに悲鳴も上げていた。

「え、なに急に……」とドン引きする私もそっちのけで、二人は五秒くらいじっくり抱き合うと、後輩男子の方がちょっと恥ずかしそうに体を離した。頬がちょっと赤い。


「……あの、とりあえず大丈夫なことは分かりましたけど、別に抱きつかなくても」
「にひひ」


ぽかんとする私の間抜けな顔を、恥ずかしさの残る顔で申し訳なさそうに見た後輩男子は、こちらにぺこりと頭を下げた。


「テヒョンさんの大事な人とは知らなくて、すみません」
「は、はあ……」
「チョン・ジョングクです。初めましてAさん」
「……ジョングクくんも人外なの?」


私が問うと、ジョングクくんは明らかに驚いた。


「……そうです」
「あ、聞いちゃダメだった?」
「一応、俺らの世界ではあんまり直接聞くようなことじゃないです」
「そうなんだ、ごめん」
「大丈夫ですよ」


ジョングクくんはそう言ってチラリとテヒョンの方を見やる。


「Aはね〜うちの新人なの」
「えっ」
「実はこの間テヒョンに噛まれちゃって」
「ええっ」


ジョングクくんにこれまでのことを掻い摘んで話すと、大きな目がどんどん見開いていった。


「――……それは、その、大変でしたね」
「あはは」


ジョングクくんが私を見る目はものすごく可哀想なものを見る目だった。


「俺は食人系人外じゃないので大丈夫ですよ」
「それって言っていいことなの?」
「事情はわかりましたし、これから関わることも増えると思うので」


そう断言するジョングクくんに首を傾げると、困ったように笑われた。


「俺は覚(サトリ)なんです。感情が読める妖怪です」
「触ったり近づいたりすると相手の感情が分かるんだって」
「へえ……」


色んな種族が居るんだなあ……と思って頷くと、とうとうジョングクくんは吹き出して笑った。


「Aさんってすごく能天気ですね」
「え、心読んだの?」
「いや、今のは普通に顔に書いてあります」


心を読めるって、結構怖がられるんですよ。とどこか切なそうな声でジョングクくんは言った。


「ジョングクはね〜俺と同じ青年部にいるんだ」
「半吸血鬼は狙われやすいですから、俺も気をつけますね」


微笑むジョングクくんはすごくいい人だと思う。

14.吸血鬼のお食事→←12.図書館の人外



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sai(プロフ) - のんさん» はじめまして、コメント&読了ありがとうございますー! 番外編もちょいちょい書きますので、また読んでください´`* (2019年9月14日 23時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。完結してしまって…しばらく吸血鬼ロスでした。番外編嬉しいです!楽しみにしています! (2019年9月14日 19時) (レス) id: 94dc845851 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - チョコさん» 完結までお付き合いいただいてありがとうございまーす!その後の進展(?)した二人も書きますね〜!読んでくださってありがとうございました! (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - AULA−輝きさん» ストーリーがダラダラしそうで大分(他メンのエピソードとか)色々削ったので、ぼちぼち番外編てやりたいですね〜!ジミンちゃんの今的なやつもやってみようと思います^^ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - わぁ〜!完結しましたね!今回は推しということもあり楽しませていただきました!続編、見たいです!!基本的には作者さんにお任せですがやっぱりデートシーンみたいなのはほしいです笑笑 (2019年9月10日 1時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sai | 作者ホームページ:https://twitter.com/xxx___sai/  
作成日時:2019年8月29日 11時

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