12.図書館の人外 ページ12
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そしてやってきたお昼休み。
私立学校だからあちこちでみんながお弁当を広げているけれど、私たち人外は普通の食事は必要無いので、約束通りに図書館へと向かう。
｢そういえば、全然ご飯食べなくなってきた……｣
｢お腹空かない？｣
｢……まだ血を飲む勇気ないよ｣
体の異変は消化器系にも及んできて、いよいよ食べたものがそのまま体外に出るようになりつつある。
お腹空くの怖いなあ……血を飲む感覚には多分慣れることはないんだろう。今のところ。
うだうだ言いつつ図書館へ入って、昼休みの割と人口密度の高い室内を見渡し、丁度良さげな窓際の机に腰かける。
テヒョンも隣にすとんと座って机に寝そべると、組んだ腕に顔を半分埋めつつニコニコ笑って私を見た。
｢本とか読む気ないの？｣
｢ない｣
｢そーですか｣
じっと見つめられながら本を読むっていうのも中々気持ちが休まらない。すっかりハマってしまった吸血鬼の恋愛小説シリーズの第二巻を開いた。
まあ、五分は静かにしていたかもしれない。
そろそろテヒョンが話し出すんだろうなあと半ば諦めのような期待が高まった頃、声を発したのはテヒョンでも私でもなく、知らない男子だった。
｢テ、テヒョンさん！｣
慌てたようなその声は静かな図書館の中で割と大きく響いて、私もテヒョンもその周りに居た人間もビクッと肩を震わせて声の方向を見た。
――あれ？ この人、この間図書館でぶつかった……
と、ぼんやりと過去の記憶をひっくり返していると、テヒョンは知り合いなのか｢……ジョングク？｣と後輩男子の名前を呼んだ。
｢なんでその人と一緒にいるんですか｣
｢え？ 仲良しだから｣
いつの間に仲良し認定されてたんだろ。
今度は私がテヒョンを驚いた顔で見る。そうして私たち三人の間に変な沈黙が広がった。
｢この人、敵じゃないんですか？ 洗脳されちゃったんですか？｣
きょろきょろと辺りを見渡して、ぐっとテヒョンに顔を近づけた後輩男子は、私をキリッと睨みながら警戒した口調でそう言う。
｢……敵？｣
｢だって、この間テヒョンさんにすごい殺意を持ってたから……｣
｢あ、あれってその事だったの？｣
ピリピリする後輩男子と相変わらずふわふわしているテヒョン。そして、首を捻る私。
そういえば、ぶつかったあの日は吸血鬼宣告をされた日で、確かにテヒョンには怒っていたけれど……なんでそんなことわかったんだろ。あの一瞬で。
あ、もしかしてこの人も人外なのかな。
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sai(プロフ) - のんさん» はじめまして、コメント＆読了ありがとうございますー！ 番外編もちょいちょい書きますので、また読んでください´`* (2019年9月14日 23時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。完結してしまって…しばらく吸血鬼ロスでした。番外編嬉しいです！楽しみにしています！ (2019年9月14日 19時) (レス) id: 94dc845851 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - チョコさん» 完結までお付き合いいただいてありがとうございまーす！その後の進展(？)した二人も書きますね〜！読んでくださってありがとうございました！ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - AULA−輝きさん» ストーリーがダラダラしそうで大分（他メンのエピソードとか）色々削ったので、ぼちぼち番外編てやりたいですね〜！ジミンちゃんの今的なやつもやってみようと思います^^ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - わぁ〜！完結しましたね！今回は推しということもあり楽しませていただきました！続編、見たいです！！基本的には作者さんにお任せですがやっぱりデートシーンみたいなのはほしいです笑笑 (2019年9月10日 1時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年8月29日 11時
