10.先輩吸血鬼 ページ10
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ナムジュン先輩の長い長い吸血鬼講釈が終わり、夜もとっぷりと暮れた夜道を帰ることにした。
テヒョンはトコトコと私の隣を歩いている。
｢俺、吸血鬼の先輩だからなんでも聞いて！｣
｢うん……｣
どこか楽しそうにしているキムテヒョン。お気楽というかなんというか。
そもそもの原因であるにも関わらず、能天気についてくるその姿に怒る気力もどこかに失せた。
｢コーラとかお菓子食べるんだ｣
｢味覚はあるよ、栄養にはならないけど｣
｢そういう感じかあ〜……｣
ちなみに、食べたものは消化はされずにそのまま出てくるらしい。なんとも不思議な構造だと思う。
｢この街ってそんなに危ないの？｣
｢ん〜……種族ごとに縄張り争いみたいなのはあるかなあ……たまに｣
｢今は？｣
｢ここらへんはねえ、青年部に覚と百目鬼が居るから大丈夫だよ｣
｢なにそれ｣
｢監視カメラみたいな種族がいる的な？｣
｢便利〜｣
色んな種族がそれぞれの能力で治安を守っているらしい。人間同士の諍いは警察に、人外は人外で……ってことなんだろうか。
｢あ、でもAは危ないから俺からあんまり離れないでね！｣
｢え〜……｣
身の危険を考えたら、テヒョンの言う通りにすればいいんだろうけど、ベッタリ張り付かれるのもなんだかなあ。
しかも、いつ死ぬかも分からないなら、生きているうちはテヒョンに守ってもらわなきゃならないという訳で。
……うまくやっていける自信が無い。
｢そういえば、ジョングクが俺も狙われてるかもって言ってたなあ……｣
｢え、そういうこともあるの？｣
｢なんか、学校に居たんだって。俺に向けた殺意を感じたって……女の吸血鬼かな？｣
｢へ、へえ……物騒だね｣
｢学校は絶好の縄張りだからねえ……｣
弱肉強食とはいうけど、本当にそんな世界に生きてるんだなあ……と思ってちょっと怖くなった。
｢だいじょーぶ、俺強いよ！｣
｢ほんとに？｣
｢うん｣
にひひと笑ってテヒョンはシャドーボクシングをした。
その姿に、私ははあと溜息をつく。このまま癖になってしまいそうだ。
｢私もなんか格闘技習った方がいいかな……｣
｢俺が教えるよ〜｣
｢いや、遠慮しとく｣
そろそろ家に着く頃になると、私ははたと、思い出した。
｢宿題忘れた｣
｢ドジだなあ｣
｢……テヒョンと違って私は真面目なんで｣
さらさらやる気のないテヒョンはヘラヘラ笑っているだけだった。
明日の小テストのことなんて、どうでもいいんだろうなあ。
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sai(プロフ) - のんさん» はじめまして、コメント＆読了ありがとうございますー！ 番外編もちょいちょい書きますので、また読んでください´`* (2019年9月14日 23時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。完結してしまって…しばらく吸血鬼ロスでした。番外編嬉しいです！楽しみにしています！ (2019年9月14日 19時) (レス) id: 94dc845851 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - チョコさん» 完結までお付き合いいただいてありがとうございまーす！その後の進展(？)した二人も書きますね〜！読んでくださってありがとうございました！ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - AULA−輝きさん» ストーリーがダラダラしそうで大分（他メンのエピソードとか）色々削ったので、ぼちぼち番外編てやりたいですね〜！ジミンちゃんの今的なやつもやってみようと思います^^ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - わぁ〜！完結しましたね！今回は推しということもあり楽しませていただきました！続編、見たいです！！基本的には作者さんにお任せですがやっぱりデートシーンみたいなのはほしいです笑笑 (2019年9月10日 1時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年8月29日 11時
