17.明らかにピンチ ページ17
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――目が覚めて、すぐに感じたのは体の痛みだった。
これは固い床で寝ていた時に感じる体の軋み。そして、後を追うようにやってきたのは鈍い頭痛。
ぼんやりとぼやける視界は世界を横向きに映していて、横たわって見るそこは知らない寂れた部屋が広がっていた。
(ここ、どこだろ)
体を動かそうとして、すぐに自分が縛られていると分かった。紐のようなもので後ろ手に縛られていて、血が滞っている。
思い出したのは、意識を失う寸前までの出来事。
泣き腫らした目でとぼとぼと家路に着いていた時に、商店街ですれ違った知らないサラリーマンにナンパをされたところまでは覚えていた。
変な時間に変な場所で中学生をナンパするサラリーマン。営業職かと思ったけれど、合わせた目がなんだか怖くて、黙って逃げようと思ったところまでは意識があった。
｢――なあ、まだ食っちゃダメなのか？｣
｢まだ××さんが来ていないからダメだ｣
｢俺は足がいいなあ｣
｢でもよ、コイツ混ざりものだろ？ 食っても生えてくるなら、少しくらい齧っても大丈夫じゃないか？｣
ボソボソと聞こえてくる物騒な会話にザッと血の気が引く。会話の内容ですぐに人外同士の話だと分かった。
そして、この人外たちは私を食べようとしていることも。
ナムジュン先輩やテヒョンが言っていた、危険な存在というのがこれだ。
急速に回転しだした頭に血が昇っていく。
(なに、ここ……)
焦る思考回路が私の目を忙しなく動かして、この奇妙な部屋から精一杯情報を引き出そうとする。
ボロボロのカーテンや割れた窓、埃だらけの床に壊れた家具。そして恐らく夕日であろう太陽が差し込んで、空気中の埃をキラキラと光らせている。
その空間の奥には大量の黒いビニール袋があって、どこか錆びた鉄のような臭いと、もっと不快な生臭さが鼻をついた。
――すごく、嫌な予感がする。
何が、とは考えたくなかった。
仮にも人の形をしている私を食べようとしている人外。嫌な、血の匂い。
そして雑談のように交わされる不穏な会話。
きっと、ここはこの人外たちの"食卓"だ。しかも、それは私が初めてではない。
きっとあの袋の中身は……――
(――どうしよう……鞄、学校に置いてきた)
スマホもなく、ここが何処かも分からない。誰かを待ってる人外たちだけど、いつ気が変わるかも分からない。
こんなことなら、言いつけ通りにテヒョンと一緒に居れば良かったなんて後悔をするけれど、今はこんな後悔も役には立たなかった。
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sai(プロフ) - のんさん» はじめまして、コメント＆読了ありがとうございますー！ 番外編もちょいちょい書きますので、また読んでください´`* (2019年9月14日 23時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。完結してしまって…しばらく吸血鬼ロスでした。番外編嬉しいです！楽しみにしています！ (2019年9月14日 19時) (レス) id: 94dc845851 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - チョコさん» 完結までお付き合いいただいてありがとうございまーす！その後の進展(？)した二人も書きますね〜！読んでくださってありがとうございました！ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - AULA−輝きさん» ストーリーがダラダラしそうで大分（他メンのエピソードとか）色々削ったので、ぼちぼち番外編てやりたいですね〜！ジミンちゃんの今的なやつもやってみようと思います^^ (2019年9月10日 12時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - わぁ〜！完結しましたね！今回は推しということもあり楽しませていただきました！続編、見たいです！！基本的には作者さんにお任せですがやっぱりデートシーンみたいなのはほしいです笑笑 (2019年9月10日 1時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年8月29日 11時
