50.探検に行こう！ pt.2 ページ50
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｢……起きた？｣
｢……ふぁい｣
ジョングクくんは私の姿を見るなりガバッと起き上がったはいいものの、そこから暫く目をつぶったままグラグラと頭を揺らしていた。
葛藤って感じだ。朝に弱いんだね、ジョングクくん。
｢……ジョングクくんも、色々ありがとね｣
｢それは……俺の方が言いたいです。村の謎が分かった気がします｣
とりあえずお礼を言うと、ジョングクくんはそう言った。
｢そのことなんだけどさ……｣
多分、というか、確実にこの村にはまだ秘密がある。
記憶の中のお父さんが言っていた"あれ"という単語の謎について話すと、二人は一斉に顔を顰めた。
｢"あれ"って、なんなんですかね｣
｢わかんないけど、多分それを壊せばいいってお父さんが言ってた｣
チラッと眠ったままの父を見る。私と同じく一週間も寝ている父が起きる気配はない。
｢ユンギさんに聞いてみないと分からないですね｣
｢でも、起きるの待ってる時間ある？｣
｢……ないです｣
ソクジンさんの気がいつ変わるかも分からないし、お父さんだっていつ起きるのかも分からない。
"あれ"を壊すって言ってたから、多分壊せるような物なんだろうけれども。
｢……探検する？｣
｢え？｣
ぽつんとテヒョンがそんな事を言い出した。
私とジョングクくんが胡乱気な目を向けるが、キョトンとした様子のテヒョンは気にすることなく更に続ける。
｢ソクジン……さん？ は狐っぽかったじゃん？｣
｢うん、狐だと思う｣
｢ユンギさんは鳥なんでしょ？｣
｢それが？｣
｢おれ、見た事ある気がする｣
何を？ と聞くとテヒョンは変な石碑のようなものを見たと言った。しかも、山の中で。
｢首塚と足削の間にあるのは狐でしょ？｣
｢あ、あのお地蔵様みたいなの？｣
｢指括は鳥だった｣
｢……それって関係あるのかな？｣
ソクジンさんとお父さんが村の領地を争ったのは十数年前の比較的近い事件な訳だし、昔から続いてる生贄伝説とはまた別件のような気もする。
ちょっと渋った私の顔を見たテヒョンはムッとした。
｢でも、なんか関係あるかもしんないじゃん｣
｢まあ、今はそれくらいしか手掛かりないけど……学校は？｣
｢義務教育だから大丈夫｣
｢いやいやいや、受験生｣
変な石碑ねえ……と私がぼんやりと呟くけど、テヒョンもジョングクくんも乗り気のようだ。
｢変なもの見つかるかもしれないし、行ってみようかな｣
このまま何もしないでいる訳にもいかないし。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
