15.自称 神 ページ15
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｢もっとよく顔を見せて｣
社の中で私の真向かいに立った男は、おもむろに私の頤へと手を添えると、あちこち点検するかのように右へ左へ動かした。
その手がひんやりと冷たくて、私は身震いする。
｢うん、よしよし｣
｢……あの、やめてください｣
｢ああ、ごめんね｣
相変わらずヘラヘラと笑っている男を私は睨めつけると、パッと手が離れた。
｢なんなんですか｣と問いかけると、男は｢僕は君を貰うんだよ｣と返ってきた。
｢……？｣
｢君は生贄なんだよ。この村の｣
｢は？？｣
笑顔のままに言われて、思わず後退る。
イケニエと呼ばれて、嫌な予感がしない人間の方が少ないと思う。
｢僕は君たちとは違うんだ。ほら、見えない？ これ｣
そうして額を指さした男は私を試すように見つめる。
言われるがままに男の額を見ると、靄のような光のような揺らめきが見えた。
……なんだろう。これ。
よく見てみると男の額だけではなく顔のあちこちに紋様が浮かんでいる。何処かで見たことのある宝石……確かオパールのような煌めきがそこにはあった。
｢何者なんですか、貴方って｣
｢僕はみんなからは神様って呼ばれてる｣
｢神様ァ？！｣
私の素っ頓狂な声に、男はケラケラと笑った。
｢今更何を驚くんだよ。神なんかそこら辺にゴロゴロ居るじゃない｣
｢いや、見たことなんてありませんけど｣
男は更に笑う。
｢君は松の木のイ家の者だろ？ あそこにはユンギがいるじゃないか｣
――……はい？
｢ユンギさんが？｣
｢知らなかったの？｣
｢あの人一言も神なんて言ってない｣
ただの客人だと思ってたのに。
｢じゃあ、本人に聞いてみたら？｣
｢あなたは神ですか？ って？｣
｢うん。まあ、アイツは素直じゃないから正直に正体なんか言わないかもしれないけど｣
アイツの背中を見てみなよ。きっと面白いものが見えるよ。
男はそう言ってまたケラケラと笑った。
なんなんだ、この人は。
｢ユンギさんの背中に何があるんです？｣
｢それは、見てからのお楽しみ｣
至極楽しそうに男は言って、私の戸惑う姿を楽しんでいたようだったけど、ふとした瞬間表情が消える。
｢……他の男の話はいいんだよ｣
次の瞬間に、私はまた顔を掴まれた。
｢君はなんにも知らないんだね……あんな事があったからかな。まあ、いいんだ。別に。最後に僕の所にきてくれればね｣
――次の瞬間、思いっきりキスをされた。
私、初めてだったのに
｢早く僕の所においでよ｣
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
