31.バッドエンド一直線 ページ31
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ユンギさんに会ったら詰め寄って、そして今までの疑問質問全部ぶつけてやろう！
そう意気込んで山を駆け足で通り過ぎていると、下の田んぼ道にぽつぽつと火が灯っているのが見えた。
一瞬火事かと思って焦ったけど、よく見たらその傍には人影がある。
……松明って。
チラホラと見える松明と小さく聞こえる話し声。なんか、変な雰囲気だと思いつつも帰路を急いでいると、前の方がぼんやりと明るくなって、おじさんが三人現れた。
｢いたぞ！｣
｢お役目様だ！｣
｢……え？！｣
ビシッと私を指差して、松明三人組がこちらへと走ってくる。
お役目様……って、どう考えても私のことだよね？
え、アレって私を探してる松明だったの？！
私を捕まえようと近づいてくるおじさん。咄嗟に一人、そして二人と躱して振り返った。
｢逃がすな！｣
――ヤバいヤバいヤバい
家に着くまで三回あった村人との遭遇をなんとかこなした。
おじさん達が｢こっちにいたぞ！｣なんて大声で言うから村中の松明がワラワラと集まってきて、私は汗だくのまま家へと辿り着く。
――光が灯っている。
門の前には祖父と大叔母と、ユンギさんが居るはずだった。
｢……なんで｣
だけど、そこにはユンギさんが居ない。
｢ユンギさんは？！｣
思わず祖父に掴みかかると、祖父は静かに首を横へと振った。
ユンギさんは、ここには居ない。
じゃあ、私はどうなるんだろう。
目の前が真っ暗になる気がした。
今まではなんとかなるような気がしていた筈なのに、山で追いかけ回されて、ユンギさんの居ない家に来てしまって、私の労力はなんだったんだろう。
｢……そういえば、今日って、何にも上手くいかない日だった｣
グイッと服を引っ張られる。誰かに腕を掴まれる。口に布を噛まされてる。誰かに担ぎあげられる。
私が逃げられないように。
そのまま家の中へと連れていかれた。
家の奥の奥の、物置だと思っていた部屋が開けられて、私は中へと放り出された。
(何、ここ……)
これは、あれだ。座敷牢ってやつ。
名前は知っているけど、何故こんなものがこの家にあるのだろう。
窓は開かないように板で打ち付けられて、扉には閂が施されている。
出られないようにするための、ありとあらゆる仕掛けがそこにはあった。
｢……A、静かにしていなさい｣
大叔母の底冷えするような声が聞こえて、私は背筋がゾッとした。
今日の私は全ての選択肢を悪い方へ選んでしまったみたいだ。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
