04.謎よりも現実 ページ4
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ユンギさんの言うクビヅカノヤシロという単語よりも、この状況で涙目の私に訳の分からない事を言う方が気になって、結局私は｢慰めてくれると思ったのに｣としか返せなかった。
ユンギさんは壮大に顔を顰めていた。
全員揃った食卓の筈なのにテレビの一台もない土間でお膳に盛られた食事をした私はジェネレーションギャップに悩まされながら翌日の朝を迎える。
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転校手続きの為の色々をしに村へ出てみることにした。
晴れてればまだ気分も冴えるというのに、生憎の薄曇りで更にゲンナリする。
とぼとぼと村役場があるという報告へととりあえず歩き出したはいいものの、砂利道と田園風景広がる広大な土地には標識の一つもない。
……ユンギさん暇そうだし、着いてきてくれてもいいのに。
祖父や大叔母は早朝に家を出て、何やら働いているようだったけど、客人としか説明されていないユンギさんは特に何もしていないようだった。
歳の頃は働き盛りに見えるのに、こんな田舎で何やってんだろう、あの人。
なんか話しかけにくいし。
ぼや〜っとしたまま歩き始めて数十分。スマホの充電はまだまだあるけど、なんだか怖くなって音楽を消した。イヤホンを取るとささやかに風の音が聞こえ、たまに鳥が鳴くくらいで至って静かな光景である。
｢今どこに居るんだろ｣
その問は現時点での私の状況を言い表すのにぴったりすぎる言葉だった。
記憶の中の父は相も変わらずオドオドしていたし、祖父も大叔母も大して私になんか興味もない。
仕方ないとはいえ、言われるがまま田舎に連れてこられて、私は大層な孤独を感じていた。
学校行ったら友達できるかな。
そんな希望もやや疑わしい。高校受験が控える今のタイミングで転校したとしても、大体グループは固まってるだろうし、多分、恐らくだけど同世代がどれ程の数居るのだろうか。
せめて体育の時間に余り物にならない程度の繋がりは欲しいところだけれども、楽観視は出来そうにもなかった。
｢はあ〜……｣
友達のとこに帰りたい。高校のことなんて割とどうでもよかったけど(父も別に勉強なんかしなくていいってスタンスだったし)、今更高校は向こうの学校にすれば良かったなんて後悔も出てくる。
｢バイトしながらあっちに住めないかなあ｣
なんてぼんやり呟いたところで、私はふと空を見上げた。
頬に冷たい水滴が当たった気配がしたからだ。
｢雨降るの？！｣
いつの間にか雲が暗くなっているではないか。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
