28.神様の種類 ページ28
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｢ちょっと！ 二人とも遊んでないでこれ持って行ってよ〜！｣
十分前は｢うーん、座ってていいよ｣と諦め顔で言っていたのに、料理が出来るやいなやキレ出すジミンさん。
数拳の続きをしていた私達はそそくさとソファから立ち上がった。
｢何作ったんですか？｣
｢冷凍ご飯しかなかったから、チャーハンだよ｣
｢チャーハン？！ やった〜｣
洋室のダイニングテーブルに三枚のお皿を並べて、誰の席か分からないけど椅子を借りる。
テヒョンはもう食べ始めていた。
｢いただきますくらい言ったら？｣
｢ひららひまふ｣
｢……召し上がれ｣
ガツガツとチャーハンを口に運んでいくテヒョンを後目に、ジミンさんはゆっくりと此方を向いた。
｢僕はあんまり色々話せないからね｣と釘を刺しつつ。
｢質問です｣
｢どうぞ｣
｢私に何が起こってるか、ジミンさんは知ってますか？｣
｢実はちょっとしか知らないけど、Aちゃんよりは、知ってます。僕はこの家の産土神だし、この村に来たのも最近の話だから｣
｢……神様って色々違うんですか？｣
｢うん｣
コクリと頷いたジミンさんは出来たてのチャーハンの山を指さした。
｢君の家にはユンギさんが居るでしょ？ ユンギさんが元々この村の神様だったの｣
｢元々？｣
｢うん。で、僕はこの卵みたいな感じ。ほんとに限定的な……この家だけの神様。十五年前くらいにこの村に来たの｣
｢ふうん……｣
神様も引越しとかあるんだなあ……と呟いたところで、私はふと疑問に思った事を口にした。
｢ユンギさんはこの村の神様じゃなくなったんですか？｣
｢ちょうど僕がこの村に来た頃に｣
｢え、結構最近の話？｣
｢……うん｣
キョロキョロと視線を泳がせながらそう言う。
なんか、これ以上聞いて欲しくなさそうな感じ。
でも、私はそれをまるっと無視して話を続けることにした。
｢ソクジンって神様とか、この村の人達が私のことを生贄って呼ぶのは？｣
｢……それは……えっと、僕からは言えないかな｣
｢どうしてですか？｣
｢……僕は外から来たの。ソクジン兄さんもそう。だから、僕はユンギさんとその庇護下にあるAちゃんに与する事が出来ないんだ。僕が大事なのはこの家とその家族だけ。他の場所には干渉出来ないんだよ｣
いよいよ困った顔をしてしまったジミンさん。
これ以上突き詰めても何も聞き出せない気がした。
質問を変えた方が良さそう。
カチカチと部屋の時計が時間を刻む音が静かに響いていた。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
