24.急展開 ページ24
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ユンギさんとは、時々雑談をするようになった。多分ユンギさんの雰囲気が少し柔らかくなったからだと思う。
静かな家でもホッとする瞬間が増えてきて、安心していた筈なのに、私を取り巻く環境は一瞬にして崩れ去ってしまうものだ。
転校も突然だったし。
・
――朝からバタバタと誰かが走り回る音で目が覚めた。
どうやら、祖父も大叔母もユンギさんも駆け回っているらしい。
一体朝っぱらから何してるんだろう。
――何故✕✕✕がうちに
―――Aが選ばれた？
――どうして✕✕✕が
――祟られる
耳を当てても襖越しではよく聞き取れないけれど、三人は慌てた様子で話している。しかも、私が関わっているらしい。
｢……出にくい雰囲気｣
ぽつんとそう呟くと、ドタバタと足音が聞こえて目の前の襖がバァァンと開けられた。
ぎょっとして目を見開くと、すぐ目と鼻の先に白い肌を真っ赤に染めたユンギさんが物凄く怒った表情で私を見据えていた。
｢――Aッ！！！｣
｢っっっ？！｣
｢何故黙ってた！！！｣
ガッと肩を掴まれて、私は息を呑む。
ユンギさんは物凄くどころか怒髪天といった勢いで、肩に痛みが走る。
｢……な、なんですか？｣
よく分からないままにそう返すと、ユンギさんは奥歯を噛み締めた。私の肩を掴む手が震えている事に気が付く。
｢……お前は選ばれた｣
｢選ばれたって……何に？｣
｢来い｣
ズルズルと引き摺られるように、私は裸足のまま玄関の外に出る。
そこには寂れた庭と植えられた松があった。
そして、そこには一本の矢が刺さっている。
｢あの矢がなんなんですか？｣と思わず震える声で問うと、ユンギさんはギラギラとした目で私の顔を覗き込む。
赤い顔、怒っている顔、それなのにどこか泣きそうにも見えるその表情。
｢もっと、時間がある筈だったんだ｣
途方に暮れたようなユンギさんの声。
私は何も分かってはいなかったけれど、これが神様……ソクジン関係の事だってすぐに分かった。
多分、私がソクジンに会ったという事をユンギさんは知った。
｢いつだ？｣
｢……この村に来る時。電車の中で｣
｢やっぱり、お前はアイツの存在も分かってるんだな｣
じろりと睨みつけられて、言葉に詰まる。
もう既にソクジンと会っていて、神様だってことも知っている。
だけど、それが一体何を表しているのかは、知らない。
｢私、どうなるんですか？｣
そう問うと、ユンギさんは小さく｢どうもさせねえよ｣と呟いた。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
