隣の席が気になった【天童覚】 (ページ6)

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数日後、昼休み
別棟の廊下を歩いていたら
前をAちゃんが歩いていた

この日は委員会があったから
きっとその帰り道

追いかけて声かけようかと思っていたら

その先の曲がり角からちょうど
曲がってこっちに来た数人の集団

現代文の先生と先輩らしき女子数人

あ、と思った時にはすでに
大声で盛り上がって聞こえてきた会話

先生と生徒だけど
あだ名やちゃん付けで
呼び合っておっけーな先生って
たまにいるよね

へぇ....あの先生そうなんだ。

見るからに先生と仲良く友達のように
話しながらこっちに向かってくる先輩達

走ると怒られるからギリギリの早足で
Aちゃんに追いついて思わず肩を抱く

『....こんにち「こんにちはーっス。」

先生「こんにちは」

挨拶した後も先生達はわいわい行ってしまった

ねぇ、何？今の気のない挨拶
らしくないじゃん
絶対大丈夫じゃなさそうな気がするけど
一応右手の内側にいるAちゃんの様子を伺った

「....大丈夫？」

『....大丈夫。前にも見たことあって....』

「そうなんだ、じゃあ....何で....」

そんなに泣きそうな顔してるわけ？

『....私、先生と仲良くなっても
あんな風な感じにはなれないと思う
....真面目気取りすぎたかな....』

あ、気取ってたんだ？

でも勉強は彼女の中で頑張ってたかもだけど
根が真面目なのは彼女の本質だと思う

先生のことをちゃん付けで呼んだり
タメ口で話せるタイプじゃない

そんなところがいいとこなのに
何落ち込んじゃってんの？もったいない