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優しい人? ページ6

あともう一歩進めば



死 ねる




『そして僕らは逃げ出した。

この狭い狭いこの世界から。

家族もクラスの奴らも

何もかも全部捨てて君と二人で。

遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。

もうこの世界に価値などないよ。

人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。

君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。

──────────────────♪』


?「おい。何やってンだ?」

っ!!
声が聞こえて、僕は振り向いた。
男の人だ。
いつの間に居たの?
警察?だったら、成す術がない。
強引に連れていかれるだけだ!

早く死んでしまおう

男の人の声を無視して、海を進んでいく。

?「な、おい!行くな!!俺は警察でもねぇから!」

その言葉に、僕は足の動きを止めた。

「警察……じゃないの?」

?「嗚呼、そうだ。だから、家に返すとかもしねぇよ。」

「……そうなんだ。」

?「嗚呼、それより戻れるか?このままじゃ、流されちまうぞ?」

「いいよ。戻りたくない。このままでいい。」

?「………なんでだよ。」

「それより、いつから居たの?」

?「歌、歌ってたときから。」

「そうなんだ。」

?「手前ぇの歌、すげぇ綺麗だったぜ。」

「え?」

僕の歌が綺麗だった?

僕が驚いている時でも、その人は僕に近づいてきた。
でも、逃げられない。

?「もうこの世界に価値などないよ。
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。

だっけか?」


だって、その人は


?「汚くなった僕たちも見捨てずに
ちゃんと救ってくれるのかな
そんな夢なら捨てたよ、だって現実を見ろよ。
シアワセの四文字なんてなかった、
今までの人生で思い知ったじゃないか。

これも、すげぇ綺麗だった。」


僕の知る限りで、一番優しそうな人だったから。


?「救ってくれる奴が居ねぇなら、俺が手前ぇを救っても良いか?」

その人は僕の返事を待たずに、僕の前まで来た。
そして、僕を横抱きにして、海から上がっていった。

?「っ!?おい、何泣いてンだよ!」

「え?」

泣いている?
…………………そうか。僕は、嬉しくて泣いてるんだ。

「多分、嬉しくて、泣いてるんだと、思う…。」

?「そうか。じゃあ、目一杯泣けよ。泣くなンて、恥ずかしいことじゃあねぇ」

「うん。………グスン…………ハァ…………グスッ……」


・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・
曲の出典:あの夏が飽和する

作詞作曲/カンザキイオリ

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xxvl6w6lvxx(プロフ) - 織姫さん» ありがとうございます。(*´∀`) 自分も、あの曲が大好きです。 (2020年5月10日 22時) (レス) id: 84d8494927 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - あの曲を教えてくれてありがとうございます。泣いてベッドに直行しました。話の内容も凄い良かったです。 (2020年5月9日 17時) (レス) id: 47ecb9f06d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゴミ山大将敗北者 | 作成日時:2019年9月11日 7時

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