好きな曲 ページ5
最年長のお兄ちゃんから、聴かせてもらった曲があったな。
その曲が大好きになって、歌詞全部覚えたなぁ。
それ歌おうかな。
『「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、
君はひどく震えていた。
そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。
─────────────────♪
いつか夢見た優しくて、
誰にも好かれる主人公なら、
汚くなった僕たちも見捨てずに
ちゃんと救ってくれるのかな?
「そんな夢なら捨てたよ、だって現実を見ろよ。
シアワセの四文字なんてなかった、
今までの人生で思い知ったじゃないか。
自分は何も悪くねえと誰もがきっと思ってる」』
歌っているうちに、気持ちを込めて、噛み締めるように、歌っていた。
結構良い時間になったんじゃないか?
日が沈んで、6時7時くらいだと思う。
もうすでに星も綺麗だし、そろそろ死 のうかな
最期に、言わせて
港のコンクリート製の坂道から、独りの少女が歩いてきた。
「何で僕だったんだろうね。虐められるのも、孤児院に居たのも。何で、僕だったんだろうね。普通に、成りたかった。」
少女はどんどん海に入っていく。
もう一度、僕の好きな曲を歌おう。
『「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の前で泣いていた─────────♪』
一歩、進む。
冷たい水が靴を濡らしていく。
また一歩、進む。
膝を濡らしていく。
もう一歩、進む。
歩きにくい。けど、構わず大きく足を前に、進める。
お腹まで濡れた。
お腹まで水が迫っている
もう一歩、もう一歩進めば、
死 ねる
『そして僕らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの奴らも
何もかも全部捨てて君と二人で。
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ。
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。
君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。
──────────────────♪』
・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・
曲の出典:あの夏が飽和する
作詞作曲/カンザキイオリ
7人がお気に入り
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xxvl6w6lvxx(プロフ) - 織姫さん» ありがとうございます。(*´∀`) 自分も、あの曲が大好きです。 (2020年5月10日 22時) (レス) id: 84d8494927 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - あの曲を教えてくれてありがとうございます。泣いてベッドに直行しました。話の内容も凄い良かったです。 (2020年5月9日 17時) (レス) id: 47ecb9f06d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゴミ山大将敗北者 | 作成日時:2019年9月11日 7時