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「一度、Aちゃんと話したらもっと話したくなった……
一緒に帰れたのが嬉しくて、次の日も……また帰れたら良いって思った。」
ぽつり、ぽつりと話す小松君の声に耳を傾ける
「なのに、Aちゃんは不死川と一緒に帰り始めた……
正直、不死川に嫉妬したよ」
背後から、小松君が動く気配がして私の身体に緊張が走る
「不死川といる時みたいなAちゃんは僕の隣にはいなかった」
小松君は、尻もちをついたままの私を通り越して脱げた下駄を拾って私の元へと戻ってくる
「Aちゃんと話せて舞い上がって好き勝手に話して……、Aちゃんの気持ちを一切考えて無かった僕が悪いのにね」
自分自身に呆れた様に笑う小松君の表情は酷く悲しそうに見えた
「不死川への嫉妬でおかしくなりそうだった
それと同時にどうして不死川なんだって……Aちゃんに対する怒りも湧いた
ジャージ以外の物は、Aちゃんが困れば良いと思ったんだ……くだらないでしょ?」
自嘲する小松君は、ポケットから大きめのハンカチを取り出して血が滲み出る足にそれを軽く押し付ける
痛みで顔を顰める私を眉を下げて見つめる小松君。
「ジャージも他の物も、無くなれば新しい物が次々Aちゃんの手元に増えていって、元々あったはずの物の存在が新しい物の存在に上書きされて薄れていくのを感じた」
私の足元へと目線を移す小松君。
「段々変わっていくAちゃんが嫌だった……
Aちゃんの目に映るのが僕じゃなくて不死川なのが嫌だった……」
俯いた小松君の表情は読めない。
「Aちゃんがいつもと違う化粧をして……髪型も変えて……
教室で嬉しそうに不死川を待ってるのを見て居ても立ってもいられなくなった。
あの時は本当にごめん……」
肩を震わせる小松君に私は何も言えなかった。
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月見おはぎ - トミーとさねみんは相容れない存在なんだなぁ...でもそこが萌えポイント☆ (2021年8月13日 2時) (レス) id: f413eaa44e (このIDを非表示/違反報告)
殿茶(プロフ) - 柿原なっくんさん» 長いのに一気読みして頂いてありがとうございます!!!面白いと思って頂けて嬉しいです^^不定期更新ですがマイペースに頑張ります! (2020年5月13日 14時) (レス) id: ab2f0dbeb4 (このIDを非表示/違反報告)
殿茶(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!マイペースに更新頑張ります^^ (2020年5月13日 14時) (レス) id: ab2f0dbeb4 (このIDを非表示/違反報告)
柿原なっくん(プロフ) - 今日読み始めたのにもう読み終わってしまううぐらい面白かったです!無理せず更新頑張ってください! (2020年5月7日 12時) (レス) id: dd151cbeee (このIDを非表示/違反報告)
みい - oh…不死川君…w更新頑張ってください(#^.^#) (2020年4月22日 11時) (レス) id: b982a1fefe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:殿茶 | 作成日時:2020年4月12日 11時