【鬼滅の刃】D組の不死川君06【不死川実弥】

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『どうやって食べたらそんな口の周り汚すの？』


私の笑い声が響く


「どうって……普通に」


『普通の高校生はそんな風にはならないよ』


真面目な顔をして言う冨岡君にまた笑いが込み上げる


ポケットティッシュを取り出して冨岡君に差し出すが、それを無視してお弁当を食べ続ける。



『……一旦、拭いたら？』


ポケットティッシュを持ったまま宙を彷徨う私の手。


「箸を置く時は、食べ終えた時だけと決めている」


『なにそのマイルール』



本当に冨岡君は不思議な人……というか、面白い。


表情は乏しいし、言葉も足りなくて冷たい人なのかと思ったけど、実際は凪いだ海のように穏やかな人だった。



『拭いてあげる』



子供にするならともかく、男子高校生にこんな事をするとは思わなかった。


だけど、そんな冨岡君を何故か憎めない。


『お弁当は逃げないよ』


お弁当ばかり見つめる冨岡が面白くて笑ってしまう。
一向に私の方を向かない冨岡君の頬に手を添えて私の方を無理矢理向かせて口を拭いてやる


「すまない」


『そう思うなら自分でやってよ』


「箸を置く時は……」


『食べ終えた時だけね、ここに置いておくから食べ終えたらまた使って』


「ありがとう」


『どういたしまして』


なんだか手の掛かる子供みたいな冨岡君を後目に私も自分のお弁当を食べる。



ここに一人でいたら、泣いているだけでお弁当なんて食べられなかっただろう


冨岡君のおかげでいつも通りに実果子と話せそうだ



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