ダチュラ 【2j3j】

27話 ページ29

｢わざわざ家までありがとね。｣



宇佐美｢Aさん1人にすると色々危ないからなー。｣


星導｢今日は未守さんもいないですしねえ｣




ファミレスでの食事を終えた後、気分転換にとカラオケやゲーセンに行き遊び尽くして気付けばとっぷり日が暮れていた。


同じ地区でも家の方向が分かれているためみんなとは近くの十字路で解散。

それでも心配だからとわたしの家に1番近いリトくんとショウくんが送ってくれた。




リト｢は〜、相変わらずでっけぇ家｣


ショウ｢家のサイズがそう簡単に変わる訳ないでしょう ｣


リト｢そういうこと言ってんじゃないの分かるじゃん｣


ショウ｢はて｣


｢あははw｣




家の前で10分程雑談をしてキリの良い所でそろそろ中入るね、と門扉に手をかけたのと同時に玄関のドアが開く音がする。




藤｢A様〜！そんな所に長居していてはお風邪をひかれてしまいますよ〜！｣


｢あ！藤さんだあ！ただいまぁ｣


藤｢おかえりなさいませAさま〜！リト様とショウ様もこんばんは〜｣


宇佐美｢あ！こんばんは！｣


星導｢藤さんこんばんはぁ｣




玄関の扉を開けたのはどうやら藤さんだったらしい。




藤 敬一郎さん。

神無月家に代々務めてくれている、執事長の役を担う人。

ちょっとお茶目な人で細身長身の白髪イケオジ。70歳は優に超えてるとは思う。
わたしが幼い頃から見た目が変わらないから本当の所は何歳なのかは分からないんだけど。


少し長いアプローチを軽快なステップを踏んでこちらに来る藤さん。
歩く姿ですらも様になってしまうのね…罪なイケオジ…



藤｢A様、そろそろ中へ。春とはいえまだ日が落ちてからは寒い。リト様とショウ様もお風邪を引かれてしまいますよ。ところでその白のブレザーは…｣


ショウ｢Aさんと同じ所に入れたんです。勿論、他の6人も一緒に｣


藤｢左様ですか！素晴らしい。この度は、ご入学誠におめでとうございます。｣




ショウくんの言葉に綺麗な一礼で返し、顔を上げ笑顔を浮かべた藤さん。

藤さん、8人のこと自分の子供のように可愛がってるもんね、そりゃ嬉しいよね



藤｢今度入学祝いでもしましょうか。｣


宇佐美｢え、藤さんの飯食えるってこと！？｣


｢藤さんのご飯好きすぎるでしょリトくん。いいね入学祝い。色々決めとく。｣


宇佐美｢はーい！じゃ、また明日！｣


星導｢おやすみなさい｣


｢うん、また明日。｣




私は2人に手を振ってようやく家に入った。

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