17話 ページ19
さも当たり前ですけどみたいな顔で窓際の主人公席に座る幼馴染を睨めば返ってくるウインク。腹立つな。
そこで社先生に助けを求めることにする。
｢や、やしろせんせえ｣
社｢どうせ席なんてくじ引きだったからな。別にどっちがどっち座っても変わらんて｣
｢なんだこの適当な先生！ぇー、でもぉ…｣
ちらっとイブラヒムくんの方を見る。
知らぬ内にまたスマホをいじっていて、相変わらずこちらに興味はなさそうで。
彼の周りは縦横斜めみんな男子で、顔を見た感じ全員イブラヒムくんと交流のある人達だったから、多分女子がウザいからとかそういう理由で席変えさせたんだろうな。
社先生も、彼に集まる騒がしい女の子達に普段から鬱陶しそうにしてる所を見てるから、それを考えて止めなかったんだろうし、
案の定、普段イブラヒムくんにきゃあきゃあ言ってる子達は揃いも揃ってみんな遠いところにいるし。
まあ、私が座っても例に漏れず歓迎はされないだろうなというのは優に分かる。
本当は喜んで！と言いたいところだけど、流石におこがましいかななんて。
ずっと渋るわたしにしびれを切らしたのか彼の口が開く。
イブ｢いいんじゃない、座れば｣
｢ェ｣
イブ｢…たかが席でしょ。｣
｢ほ、本当にいいの…？｣
イブ｢俺は別に困らんけど。｣
こちらは見ないまま紡がれる言葉。
｢ウザ絡みしちゃうかもよ？私、君のオタクだし｣
イブ｢めんどくさ。いいって言ってるじゃん、座れよ、早く｣
いよいよこのやり取りがだるくなったんだろう、顔を見上げ少し語気強めに言われる。
後ろ1人くらいならまあいいだろって感じなんだろうか。
彼本人がいいって言ってるんだしまあ、ならいいか。と思い
じゃあ、お言葉に甘えて。と、荷物を置き彼の後ろの席に座る。
ようやく座った私に親指を立てて笑顔でこちらを見てきた幼馴染にはとりあえずお返しに笑顔で中指を立てておく。
前を向けば頬杖をついておそらくゲーム実況を見ているイブラヒムくん。画面が激しい、FPSかな？
さらさらな銀髪に、丸い後頭部。彼が少しでも動く度に揺れるピアス。
そして先程と変わってカルダモン香るミドルノートに移ったのであろう彼らしい香水。
う、苦しい、どうしよう流石に好き…
思わず顔を突っ伏してしまう。
これから1年間、イブラヒムくんが学校来てる日はずっとこれってこと…？
｢いや耐えられんて神様……｣
オタク、初日から早々に瀕死です。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 758人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
586(プロフ) - 更新お疲れ様です！ありがとうございます！この作品大好き過ぎて何回も読み返してます！！無理せず頑張ってください！！！！ (4月7日 0時) (
レス) @page36 id: 7479a5bea4 (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - あぁ〜手出しちゃった……馬鹿な人達だね…更新お疲れ様です！待ってました！無理せずに頑張ってください！続き楽しみにしてます！ (4月6日 18時) (レス) @page36 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
パフューム(プロフ) - まってえぐ好きです。えぐいです。なんですか？この神作えぐいです大好きです。更新楽しみにしかしてません。無理ない程度に頑張ってください🥹えぐいです。(もろ好みすぎてえぐい連呼しちゃってすみません🥹まじ好きです💕) (12月30日 22時) (レス) @page33 id: 800553da28 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな(プロフ) - とってもお話面白いです!オリキャラのいる小説とか学パロ自体殆ど読まないんですがこの作品はすごく読んでて楽しいです！未森さんとの掛け合いとかめっちゃ好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (12月11日 12時) (レス) id: 58ec19c369 (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 鴇さん» コメント返してくださりありがとうございます！愛されの件もありがとうございます！これからも応援してます!無理せずに頑張ってください！ (11月24日 6時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鴇 | 作成日時：2023年11月16日 0時
