!!!：分岐点 ページ49
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――この世界に、宇宙人なんているのだろうか。
「……もういいよ、トドロキくん」
轟の肩をぽん、と叩き、Aが言う。
彼女はすっかりいつも通りで、泣いてなんかいなかった。
月明かりが、彼女の銀髪を照らす。
泣き腫らして真っ赤な瞳は、まるで月のウサギのようだ。
「……私、決めたの」
ゆっくりと立ち上がり、土埃で汚れたスカートを叩く。
爆豪のマフラーも返そうとして、自分の涙や鼻水なんかで汚れていることに気づいたようだ。
いつか洗って返す、と小さく続けた。
「次の満月の夜。
――故郷の星に、月に帰るよ」
ここ、宇宙船の場所。
唯一持っていたらしいスマホを操作して、マップを表示。
見れば士傑高校近辺の、寂しい場所にある一軒家だ。
「次の満月の夜って……来週だろうが！！」
「……カツキくん、計算するの早い」
「来週までそのまんまでいいんか、てめェは！？」
「うん。宇宙船直すの、一週間はかかるから」
こんなAの笑顔を、初めて見た気がする。
悪戯を思いついた子どものような笑顔だ。
それでいて、何かを覚悟したような――…
「――私、宇宙人なの。
信じてるなら……会いに来て」
爆豪のマフラーを巻きながら、確かにそう言った。
「ふたりも、月に連れてってあげる」
痛むだろう脚で、ぴょんと跳ねる。
汚れたスカートがひらりと舞い、月明かりに踊る。
今日はちゃんと、財布も持ってる。
大丈夫。ちゃんと帰れる。タクシーに乗るから。
そんなことを言って、Aは笑う。
地球人と、宇宙人のなりそこないを置いていく。
――この世界に、宇宙人なんているのだろうか。
いるかもしれねぇ、と誰かが言った。
ンなもんいるかよ、と誰かが言った。
さてさて、宇宙人はこの世界に――…
(......To be continued！......)
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るいるい＊*(プロフ) - ヨシさん» コメントありがとうございます！ 応援の言葉、とっても嬉しいです！ (2019年7月10日 18時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 蛍狼 ＆ ローシさん» 応援ありがとうございます！ ずっと書きたかった話なのでそう言っていただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いしますv (2019年7月10日 18時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 夢主ちゃんがすごく不思議可愛いです！応援してます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 83a9ab1185 (このIDを非表示/違反報告)
蛍狼 ＆ ローシ(プロフ) - 高校が士桀高校なのが個人的に凄く好みです！夢主ちゃんと天然くん達の絡みや、かっちゃんとのコントのような絡みもめっちゃ面白いです！後、地球人に爆笑しました！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年7月10日 15時) (レス) id: cc961492f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年7月10日 6時
