39：サイゴの日 ページ41
...
――そして、仮免補講最終日。
このテストに合格すれば、晴れて仮免許取得となる。
ぴりりと空気が引き締まり、全員やる気は充分。
勿論、その中にはAもいた。
ギャングオルカとそのサイドキックたちが敵役。
災害現場を再現したステージで、如何にヒーローとして立ち回ることができるか。
難しい課題だが、やっとここまで来た。
仲間に追いつき追い越すためにも、これ以上足踏みはしていられない。
「オイ、電波女。足引っ張んなよ」
「……善処する」
「何考えてんのか知んねェが、ここは地球だ」
「……うん、知ってる。
カツキくんを宇宙へ攫った記憶、ないし」
「んな意味で言ってんじゃねぇ！！」
自分の人格まで否定するような父親を見られたというのに、あの後もAの態度は変わらない。
相変わらず宇宙人を自称する、電波女のままだ。
周囲からはやはり浮いていて、掴みどころがなくて。
爆豪を怒らせたり、轟に妙な興味を持たせたりしながら、彼女は変わらず講習を受け続けた。
だから、爆豪は釘をさすのだ。
足を引っ張られるのは、勿論嫌だ。御免被る。
だがそれ以上に、爆豪には嫌なことがあった。
「このテストの間、地球のことだけ考えてろ」
「……？ どうして、」
「てめェがいんのは故郷の星じゃねぇ、地球だろ！
目の前にいる
――目の前にある自分を、無視されること。
宇宙だが何だか知らないが、Aは生きている。
爆豪たちと同じように、今、地球で息をしている。
それを忘れられるのが、嫌だった。
爆豪の言葉を聞いたAは、目を丸くする。
それから、少し困ったように。
珍しく戸惑った様子で、爆豪を見る。
「……宇宙人のこと、信じてくれた？」
「ちげーわ！ 宇宙人なんぞいてたまるか！！
目の前にいるのはみんな本物で、今はそれだけ見ろっつってんだよ！！」
「……なんだ、残念」
いつもの調子で答えるA。
けれどその表情は、いつものような無表情ではなくて。
ほんの少しの笑顔を滲ませながら、口を開く。
「……でも。分かった」
――その言葉は『影巳A』の言葉だ。
「そうだね、地球の試験官は厳しいから」
――その言葉は『宇宙人』の言葉だ。
「今だけ……そうしなきゃ。
故郷の星に帰る前に、ヒーローの練習」
では、この言葉は。
一体、誰の言葉だったのだろう。
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るいるい＊*(プロフ) - ヨシさん» コメントありがとうございます！ 応援の言葉、とっても嬉しいです！ (2019年7月10日 18時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 蛍狼 ＆ ローシさん» 応援ありがとうございます！ ずっと書きたかった話なのでそう言っていただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いしますv (2019年7月10日 18時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 夢主ちゃんがすごく不思議可愛いです！応援してます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 83a9ab1185 (このIDを非表示/違反報告)
蛍狼 ＆ ローシ(プロフ) - 高校が士桀高校なのが個人的に凄く好みです！夢主ちゃんと天然くん達の絡みや、かっちゃんとのコントのような絡みもめっちゃ面白いです！後、地球人に爆笑しました！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年7月10日 15時) (レス) id: cc961492f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年7月10日 6時
