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それはまるで、花だった。
醜くて悍ましい色をした、大輪の花。
華奢な白い脚を蹂躪するかのように咲いている。
どう見ても、それは痣だった。
破けたタイツから覗くAの太腿には、無数の痣が残っていた。
明らかに訓練で付くようなそれではなく、先程のような無茶な行動で残るようなものでも、ましてや先程の打撲でできたものでもなくて。
それを裏付けるように、青痣以外の切り傷や火傷痕、切り傷のような痕も見える。
――これでは、まるで。
日常的に誰かに、虐待されているようじゃないか。
「お前……これ、」
「……うん。地球人には、痣に見える」
だが、Aはそう言った。
轟が驚き目を丸くしても、彼女は目を逸らさない。
当たり前、といった様子で表情すら変えない。
真っ赤なアンタレスは、いつものように。
彼女は淡々と、いつも通りに口を開いた。
「宇宙人にとって、地球の空気は毒。
昔は違ったんだけど、今は大気汚染が深刻だから。
完全に毒素が無効化できないようになって困った。
……で、その毒素がいちばん出やすい場所が、ここ」
その言葉は、どこまでが本当なのか。
どこまで本当だと信じるべきものなのだろうか。
Aには悪びれる様子も、戸惑った様子もなくて。
ただ当たり前のことを話すように、彼女は続ける。
「肌の表面に近いところに影響が出やすい。
……痣みたいに見えるけど、痛くはなくて。
地球人でいう『ホクロ』とかそんなのに近いと思う」
「……だが、」
「地球人が痛そうだっていうから、普段は隠してる。
けど、何ともない。だって私、宇宙人だもん」
これは怪我じゃない。
地球の空気が身体に合わないせいだから。
病院には行かない。
宇宙人だと分かれば解剖されるかもしれないから。
もちろんその程度で宇宙人は死なないけど、治すために宇宙の技術を使えば、地球人はびっくりしてしまう。
「このことは、まだ秘密。
イナサはすぐ、びっくりするから」
彼女を信じてよいのだろうか。
彼女を疑うべきなのだろうか。
――今の轟には分からない。だけど、
「……でも、影巳」
「何？」
理由は分からない。
轟には、今のAを否定できなかった。
「地球の病院が駄目なら……
宇宙の病院には行っといた方がいい」
そう答えれば、Aは目を大きく見開く。
そして、くすぐったそうに目を緩める。
そうだね、と小さく。
嬉しそうに彼女が呟いた気がした。
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るいるい＊*(プロフ) - ヨシさん» コメントありがとうございます！ 応援の言葉、とっても嬉しいです！ (2019年7月10日 18時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 蛍狼 ＆ ローシさん» 応援ありがとうございます！ ずっと書きたかった話なのでそう言っていただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いしますv (2019年7月10日 18時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 夢主ちゃんがすごく不思議可愛いです！応援してます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 83a9ab1185 (このIDを非表示/違反報告)
蛍狼 ＆ ローシ(プロフ) - 高校が士桀高校なのが個人的に凄く好みです！夢主ちゃんと天然くん達の絡みや、かっちゃんとのコントのような絡みもめっちゃ面白いです！後、地球人に爆笑しました！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年7月10日 15時) (レス) id: cc961492f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年7月10日 6時
