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課題終了のアラームが高らかに響く。
それと同時に、轟を拘束していた枷が外れた。
講師をしているギャングオルカがじきにやって来るだろうが、轟たちだけを担当しているわけではないので、到着にはもう少しかかると思った方がいい。
ちゃんと個性を使うだけの判断力がある時点で命に問題はなさそうだし、意識もはっきりしているようだが、先程物凄い音で激突していたAが心配だ。
きっちりと縛られていたせいで少し変な感覚の残る肩を鳴らしつつ、轟はAの方を向いた。
「大丈夫だったか、影巳」
「……はいひょーふ、もんらいない」
「そうか。……ん？ ぅっ！？」
一瞬Aの言葉を鵜呑みにしてスルーしかけたが、轟は慌てて彼女に駆け寄った。
こちらを向いたときに鼻を抑えていたのも妙だったし、滑舌が悪いのも不思議だと思ったが、その理由は明白。
手では止めきれずに、指の間から垂れているその血が教えてくれている。
華奢な白い指の隙間を埋めるように溢れ、流れている鼻血は痛々しい。
確かにヒーローが負う怪我にしては軽症に入るのだろうが、少なくとも年頃の女子にとってはダメージのある怪我には違いない。
「それ、大丈夫じゃないぞ。
お前、鼻……打ってたもんな、痛かっただろ」
「……ん。れも、わらひ、うひゅーしんらから。
これ、かもふらーひゅ。ほんなにひたくない」
「……？」
「もんらいない」
兎にも角にも、大丈夫と言いたいのだろう。
轟にはそう見えないのだが、本人はあくまでも『宇宙人だから大丈夫理論』でいくつもりらしい。
とはいえ、このままにはしておけない。
轟はコスチュームに備え付けてある応急処置セットを取り出し、消毒液に浸した脱脂綿を用意する。
宇宙人とはいえ女子だから他人に鼻血なんて見せたくないだろうが、怪我を放置するのはヒーローとしていただけない。
「……宇宙人の血も赤いんだな」
「ほうみえるよう、かこうしてる」
「そうか。宇宙の技術は凄いな。
治療の仕方も地球人と同じでいいのか？」
「うん」
拭うから見せてくれ、と轟は言う。
案外素直にその言葉にAはそれに従い、隠すように抑えていた手を離した。
見たところ、折れてはいないようだ。
既にもう止まりかけているらしく、出血量も心配するほど酷くはなかった。
不幸中の幸い。
ほんの少しだけ安心して、轟はAの血を拭った。
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るいるい＊*(プロフ) - ヨシさん» コメントありがとうございます！ 応援の言葉、とっても嬉しいです！ (2019年7月10日 18時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 蛍狼 ＆ ローシさん» 応援ありがとうございます！ ずっと書きたかった話なのでそう言っていただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いしますv (2019年7月10日 18時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 夢主ちゃんがすごく不思議可愛いです！応援してます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 83a9ab1185 (このIDを非表示/違反報告)
蛍狼 ＆ ローシ(プロフ) - 高校が士桀高校なのが個人的に凄く好みです！夢主ちゃんと天然くん達の絡みや、かっちゃんとのコントのような絡みもめっちゃ面白いです！後、地球人に爆笑しました！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年7月10日 15時) (レス) id: cc961492f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年7月10日 6時
