19：宇宙人のセカイ ページ21
...
仮免講習も中盤になれば、対人戦が増えてくる。
二次試験での振り返りや疎かになりがちだったレスキューなどの『補う』補習から少しだけ離れ、次に学ぶのは自身の持ち味を生かした『応用』。
臨機応変について学ぶには、自分とはまったく異なる他者を相手にするのが最も早い。
何とも理のかなった理屈である。
そして、今行っているこれもその一環。
「……転ぶなよ、影巳！」
「うん。……勿論っ」
Aは轟の生成した氷の上を滑り、対象として設定されたセンサー付きロボット(人の気配を察知して逃げるように飛び回る意地の悪い装置だ。実弾に見立てたペイント弾やレーザービームを撃ってくる)の影を狙っていた。
これは対ヴィラン戦を想定した講義だ。
協力しているヒーローが敵に拘束され、その場から自由に動けないという状況に陥ったとき、如何にその状況から立ち直せるか。
轟は敵に拘束されたヒーロー役。
手脚を枷で揃えるように拘束されているため、いつもより個性の精度が落ちている。
目標は、ロボットが放つ攻撃から氷で自分を隠しながら、Aのサポートに徹すること。
Aはそんな彼を庇いつつヴィランと交戦する役。
轟のサポートを受けながら攻撃をかわし、ヴィラン役のロボットを捕縛するのが目標だ。
素早いを捕縛する方法は様々であるが、轟とAが組んでやることはひとつ。
「影巳は影を掴めさえできれば何とかできる。
そうだな。だったら……」
「……うん。たぶん私、君とおんなじこと、考えてる」
轟がAの足になればいい。
避ける敵を氷で捕縛するのが難しいならば、Aを素早く動かせばいいのだ。
そして、何やかんやで器用なAである。
轟の氷をスケートリンクのように活用方法し、攻撃をかわしながら捕縛を狙っている。
勿論、それだけじゃない。
轟が自分とAを攻撃から隠すように生成している氷は影を作り、Aに掴ませる役割がある。
それをロボットに悟られ壊されないよう、敢えて「逃げる」フリをしているのだ。
何故だか分からないが、轟とAは波長が合う。
自分も宇宙人だったのだろうか、と轟が真剣に考えてしまうくらいには気が合うし、つい最近初めて出会ったとは思えないほどに親近感がわくのだ。
轟自身も不思議に思ってしまうほどに。
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るいるい＊*(プロフ) - ヨシさん» コメントありがとうございます！ 応援の言葉、とっても嬉しいです！ (2019年7月10日 18時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 蛍狼 ＆ ローシさん» 応援ありがとうございます！ ずっと書きたかった話なのでそう言っていただけると嬉しいです！ これからもよろしくお願いしますv (2019年7月10日 18時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 夢主ちゃんがすごく不思議可愛いです！応援してます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 83a9ab1185 (このIDを非表示/違反報告)
蛍狼 ＆ ローシ(プロフ) - 高校が士桀高校なのが個人的に凄く好みです！夢主ちゃんと天然くん達の絡みや、かっちゃんとのコントのような絡みもめっちゃ面白いです！後、地球人に爆笑しました！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年7月10日 15時) (レス) id: cc961492f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年7月10日 6時
