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Aの家庭環境は最悪だったと、相澤は言った。
父親はどこかへ蒸発。母親はたいそうな気まぐれ。
母親はふらりとどこかの男の家へと出かけ、幼いAを放置した。
男を家につれこみ、幼い彼を追いやったこともしばしば。
当然、児童相談所沙汰になることもあった。
その時の彼の状態は……お察しだ。
「小学校も最初は通えなかったらしい。
まともに登校できるようになったのは施設に入った高学年の頃からだったらしい……が、」
そこでいじめられることもなくAは普通にやってのけた。
それどころか所謂、人気者に分類されるような男子だったらしい。
だが、もちろん。
彼をその地位にとどめたのは個性だ。
Aは個性を使って巧みにクラスメイトを惑わし、その地位を築いたに違いない。
異物を嫌うあの年頃の子どもたちが、やすやすと彼のような子どもを受け入れるわけがないのだ。
「当然、公共の場での個性の使用は厳禁だ。
何度かAは注意を受けている。
書類には改善されたと記されているが……実際は違うだろう」
――おそらく、教師にも個性を使用していた。
相澤はそう言うと顔をしかめた。
教職に携わる者としてあり得ない、とでも言いたいのだろうか。
手持無沙汰にカップの淵を指でなぞると、彼は続ける。
「いいか、麗日。
Aは幼少期から
欲を煽ってギリギリの駆け引きをして生き延びた子どもになってしまっていた。
倫理観のラインがズレたのはおそらく、そこからだろう」
しかしながら、当時の彼がやったであろうことの証拠はゼロだ。
中学時代の内申書にも、彼の問題点が記されていない。
起こした問題もゼロであり、成績も素行も良い生徒として記されている。
「雄英だって馬鹿じゃない。
内申書がおかしいことにハナから気づいていた。
だが……証拠はどこにもない以上、誰にだって門は開かれるべきだ。
どう生まれ育った人間であれ、ヒーローを目指す志に間違いがないなら……な」
非効率的だと、相澤は言う。
合理性に欠くね、と彼は続ける。
まるではじめから門を閉ざしておけば良かったと。
夢を見せるべきでなかったとでも、言うように。
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るいるい＊*(プロフ) - 遥亜さん» コメントありがとうございます！リクエストもとっても嬉しいですvV 今書いているものが完成したら是非とも書かせていただきますね！ (2019年6月12日 13時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
遥亜(プロフ) - 完結おめでとうございます！リクエストいいですか？是非主くんと一年A組のみんなが仲良くしているのを見てみたいです！一年A組のお手伝いとして訓練に参加したりしてもらいたいです！お願いします！ (2019年6月12日 11時) (レス) id: b6c422ed28 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 星の桜さん» コメントありがとうございます！ 尊いと思っていただけたのなら嬉しいですvV (2019年5月30日 8時) (レス) id: ba7b003d03 (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - 反則...尊しをさせるきぃ...？ (2019年5月30日 6時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - タクさん» ありがとうございます！ 私に書ける最大級の甘々を目指しましたvV (2019年5月29日 21時) (レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月23日 18時
