72:お茶子の気持ち ページ27
...
麗日お茶子は、焦っていた。
もうすぐ林間合宿がはじまる。
それに向けてクラスのみんなで買い物に来た……までは良かったのだ。
そこで青山の、期末試験の言葉を思い出したのがいけなかった。
――キミ、緑谷くんのこと好きなの？
その『好き』とはどんな好きだろうか。
友だちとして？ 人間として？ クラスメイトとして？
それの意味なら間違いなく、お茶子は緑谷出久のことが好きだ。
優しく、勇敢で、それでいて聡明なクラスメイトのことを好ましく思っている。
けれど、恋愛として。
例えばハグがしたいだとか、キスがしたいだとか。
そういう気持ちで、見たとすると――…
不意に、思い出す。
体育祭の振替休日の、夜の公園。
星空が綺麗で、どきどきした夜。
Aがいて、好きだと笑った。
淡い星の色のような言葉で、そう言った。
瞬間、顔が高揚して。
頭が沸騰して、どうしたらいいか分からなくて。
緑谷とふたりになって……青山の言葉を思い出した時、Aの言葉もオーバーフローして、思わず彼から逃げてしまった。
まっすぐ、顔さえ見ることができなくって。
「ウチ、デクくんのこと好きなんやろうか……」
緑谷の顔を思い出す。
いつも優しい緑谷。前を向いて頑張る彼の姿。
ぽかぽかと暖かい気持ちをくれる彼だ。
このもやもやも吸い取って、気持ちを落ち着かせてくれて……これが、恋なのだろうか。
「そういうの……私にはまだ早い、か」
それは、少し違うと思った。
何となくだけど、ほんの少しだけ。
そうしてお茶子は、置いてきぼりにしてしまった緑谷を探すべく……広いモールの、あちこちへ。
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唯理 - 体育祭の緑谷のポイントは1000万ですよ。前作から読ませてもらっています頑張ってください！ (2019年8月4日 16時) (
レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - いっちゃんさん» コメントありがとうございます！ 感想と応援、本当に嬉しいし励みになります！ お陰様でたくさん評価をいただきまして有難い限りです……これからもよろしくお願いします！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - アドバイスではないんですが、1つ目の時から俺、除籍されちゃったんでを見てたのでどんどん人気になっていて凄い！と思います笑今までの作品で1番好きな作品なのでこれからも見続けますし、応援しています！ (2019年5月19日 21時) (レス) id: 35db45c436 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - watanukiさん» コメントありがとうございます！ いいですね、それ！実は触れ合いがディープであればある程隙ができる=個性がかかりやすくなる、みたいな描写する予定だったのでそれ、採用です！ 有難く使わせていただきますねvV (2019年5月18日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
watanuki - すいません、何故か2回送ってしまって、2回送ったのは気にしないでください！ (2019年5月18日 7時) (レス) id: 95d34a0908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月17日 17時
