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Aに会いにきた疑惑は丁寧に訂正したが、彼はさして気にも留めていないようだ。
ベンチに座って星空を見上げていたAは、不意にお茶子の方を向き。
柔らかに表情を緩めると、口を開く。
「体育祭、ベスト16だっけ？
頑張ってるところ、見てたよ。会場でね」
「うえっ！？ ほんまに会場まで来てたんや……」
「まあ、個性柄ね？ わりと簡単だったよ」
確かに彼にかかれば簡単だろう。
人間フェロモンという個性は、対人間に対してはほぼチート。
開場に現れて騒動を起こすのが目的ならば捕まえられようが、視察目的でやって来たのなら、彼を見つけるのは難しいに違いない。
だが、それにしてもAは器用だ。
何の騒動も起こさず、体育祭を見るだけ見て帰って行ったのだから。
「体育祭かぁ、懐かしいな。
去年はスポーツチャンバラやったっけ」
「えっ、Aさんも出てたん！？」
「その頃はまだ除籍されてなかったからね。
あの頃より髪も伸びたし分かりにくかったかな。去年の体育祭、見てみるといいよ」
「なんあそういう話聞くと、ほんまに先輩やったんやって気ぃするなぁ……」
「あはは、今更かい？ 俺は最初から言ったじゃないか。
君たちの元先輩、ヒーローの無精卵だったって」
ざぶん。ざざざと、波の音。
その音に混ざる、楽しそうな笑い声。なぜだか安心する、不思議な声だ。
そしてAは微笑みながら、何でもないことのようにこう言った。
「それで？ どうしたの、麗日ちゃん」
「……え？」
「何か悩んでるよね。元先輩に、何か相談？」
海に浮かぶのは、星の光。
お茶子の栗色の瞳にも、Aの淡い瞳にも……同じように。
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唯理 - 体育祭の緑谷のポイントは1000万ですよ。前作から読ませてもらっています頑張ってください！ (2019年8月4日 16時) (
レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - いっちゃんさん» コメントありがとうございます！ 感想と応援、本当に嬉しいし励みになります！ お陰様でたくさん評価をいただきまして有難い限りです……これからもよろしくお願いします！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - アドバイスではないんですが、1つ目の時から俺、除籍されちゃったんでを見てたのでどんどん人気になっていて凄い！と思います笑今までの作品で1番好きな作品なのでこれからも見続けますし、応援しています！ (2019年5月19日 21時) (レス) id: 35db45c436 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - watanukiさん» コメントありがとうございます！ いいですね、それ！実は触れ合いがディープであればある程隙ができる=個性がかかりやすくなる、みたいな描写する予定だったのでそれ、採用です！ 有難く使わせていただきますねvV (2019年5月18日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
watanuki - すいません、何故か2回送ってしまって、2回送ったのは気にしないでください！ (2019年5月18日 7時) (レス) id: 95d34a0908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月17日 17時
