07:有精卵と無精卵 ページ8
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「やあ、また会ったね」
――やっぱり。そういうべきか。
確かに彼はそこにいて、お茶子を見るとにこやかに手をあげた。
今朝とまったく同じ場所。まったく同じ服装。
鉄棒の上に座って、ロリポップを舐めている。
このひと、いつからここにいたんやろ。
暇人なのか、もしくは、誰かをここで待っていたのか。
目をまんまるにするお茶子を見ると、緑谷は心配半分、警戒半分、といった様子で口を開いた。
「……麗日さんの知り合い？」
「えぇと、うん！ 確かに、知り合いなんやけど……」
「彼女とは今朝会ったんだ。
ふぅん……やっぱりね。君は雄英の生徒だったんだ」
それに気を悪くするでもなく、青年は笑みを浮かべたままだ。
整った顔のパースを崩すことなく、人当たりの良さそうな笑顔で答える。
お茶子を上から下まで、品定めするように見つめて。
同じように、自分に気をやった緑谷にも目をやって。
「似合ってるね。その制服。
輝く金の卵たちによく映えるブレザーだ」
「あ、ありがとうございます……？」
「ひとつしかない肩のボタンも素敵だよ。
流石ヒーローの有精卵たち。愛らしいね」
そして、彼は立ち上がる。
見事な身のこなしで、ひょい、と。鉄棒の上に。
ぎょっと目を見開く緑谷とお茶子。
飯田も少し気圧されたようで、少しばかり声を荒げた。
「し、失礼ながら！
あなたは一体、何者なのでしょうか！」
「……俺？ うーん、そうだなぁ……」
器用にバランスを取った青年は、しばらくそうして考えると……
飽きた、というように、飛び降りる。
綺麗な着地。乱れも、ふらつきもない。
息を荒げることもなく、彼は穏やかに口を開いた。
「俺は無銘 A。
君たちの先輩――に、なる予定だった無精卵さ」
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るいるい＊*(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！ 嬉しいですvV (2019年5月29日 21時) (
レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
カイ - お茶子も主人公も両方可愛い！ (2019年5月29日 20時) (レス) id: 2843dfb22b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 猫好きさん» 健全な占ツクでその話題はいけない…(戒め) (2019年5月24日 8時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 野獣せんぱ……すみません (2019年5月24日 0時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 祟璃さん» うわぁあ人名のミスとかいちばんやっちゃいけない誤字！ ありがとうございます！本当に助かります！ 修正致しました！ (2019年5月20日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月12日 14時
