32:反撃開始 ページ33
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Aの個性については、ほぼ把握した。
フェロモンはある程度の距離まで届くが、本人から遠ければ遠いほど濃度が下がる。
薄い濃度のフェロモンだと効果も薄くて、発動時間も短い。
だから彼は間合いを縮めるし、至近距離じゃないと個性を使わない。
……そして、もうひとつ。
お茶子は、きっとAが知られたくないだろう弱点を掴んだ。
フェロモンを放つ範囲が広ければ広いほど、
その濃度が濃ければ濃いほど、
Aは消耗し、疲弊する。
彼は黒霧に「他のも巻き込んだ」と言った。
……ということはつまり、尾白との戦闘時には、広範囲に高濃度のフェロモンを使用したということだ。
尾白は素早く、尾を利用した小回りが利く。
そんな彼を捉えるのはさぞかし難しかっただろう。
USJはウソの災害や事故の現場を再現しているから、さらに難易度は上げるはず。
だからきっと、逃げ回りつつ攻撃を行う尾白に対して奇襲をかけるのは難しく……
結果、大ぶりに個性を使うことになった、と仮定しておこう。
余裕そうに見えるが、さっきだって本当はAにとって嬉しくない展開だったはず。
彼は瀬呂を対象に個性を使用するつもりだった。
だがリスクを恐れず、瀬呂を助けようと障子が駆け寄ってきたせいで、やや距離のあった障子にまで個性をかけるはめになっている。
しかも個性をかけた障子は、まだ動ける状態。
万全ではないといえ、行動不能にできなかった。
相澤の話と尾白との戦闘の話から察するに……
消耗していないAなら、障子も行動不能にすることができたのではないだろうか。
それに、だ。
Aは個性を使うたび、対象との距離も近づけている。
芦戸の時は、彼女の頬と耳に触れる程度の距離。
瀬呂の時は押し倒して馬乗りになり、額にキスできるほどの近距離。
単にAの趣味だという説も否定できないが、距離を縮めなければ行動不能にする程度のフェロモンを浴びせられなくなっているのだろう。
――ならば。
お茶子と砂藤がすべきことは、広範囲を対象にしてAに個性を使わせること。
「……あのね、砂糖くん…」
思い浮かんだ作戦を、お茶子は砂糖に耳打った。
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るいるい＊*(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！ 嬉しいですvV (2019年5月29日 21時) (
レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
カイ - お茶子も主人公も両方可愛い！ (2019年5月29日 20時) (レス) id: 2843dfb22b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 猫好きさん» 健全な占ツクでその話題はいけない…(戒め) (2019年5月24日 8時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 野獣せんぱ……すみません (2019年5月24日 0時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 祟璃さん» うわぁあ人名のミスとかいちばんやっちゃいけない誤字！ ありがとうございます！本当に助かります！ 修正致しました！ (2019年5月20日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月12日 14時
