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相澤消太はヒーローであると同時に、教師である。
彼が生徒に除籍処分を言い渡すのは、彼が持っている、厳しさの中の優しさなのかもしれない。
見込みのない者に半端に夢を追わせることほど、残酷なことはない。
残酷なことは、合理性に欠ける――…
三奈が聞いてきた噂は真実であり、彼の通算除籍指導数は154回。
昨年度受け持ったクラスを全員除籍した、という話は本当だ。
もうこの時点で緑谷の顔色は悪いし、お茶子だって肝を冷やした。
「Aはその中のひとりだ。
大方逆恨みか、俺への憂さ晴らしだろう。
巻き込んですまなかった」
「いやいやいや！ 何も頭を下げなくても！」
「だ、大丈夫！
被害ゼロやしへっちゃらですよ先生！」
潔く頭を下げる相澤に、緑谷もお茶子もたじたじで応える。
マイナーであれヒーローはヒーロー。
相澤は生徒に対して誠実で、自分に非があると分かれば頭を下げることも辞さないのだろう。
飯田もその謝罪に調子を狂わされ、丁寧に御遠慮しつつも……しゃんと背を伸ばし、話を切り出す。
「ところでその……
Aさんは今、何をされているんしょうか？」
「確かにそれ、気になるよね。
除籍されたってことはもうヒーロー目指すのやめて、普通の高校生……とか？」
「……分からん」
「分からん！？」
思わず3人は口を揃えて、相澤の言葉を繰り返してしまった。
分からない？
ということはつまり……消息不明？
「お前たちから話聞くまで、Aは行方知れずだった。どこに行ったのか、何をしていたのか……さっぱりだ」
「えっと、じゃあ、家族とかは……」
「Aの家族は放任主義でな。
上京した息子が行方不明になろうが気にしない人間だ」
「じゃあ、それってつまり――…」
――ネグレクト。
脳裏に浮かんだ言葉は、残酷だった。
放任主義も、度を越せば虐待だ。
高校を除籍された子どものことを一切気にかけないなんて、きっと、きっと『普通』ではない。
背中を伝う汗はひんやりしていて、ぞくりと、肌が粟立った。
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るいるい＊*(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！ 嬉しいですvV (2019年5月29日 21時) (
レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
カイ - お茶子も主人公も両方可愛い！ (2019年5月29日 20時) (レス) id: 2843dfb22b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 猫好きさん» 健全な占ツクでその話題はいけない…(戒め) (2019年5月24日 8時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 野獣せんぱ……すみません (2019年5月24日 0時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 祟璃さん» うわぁあ人名のミスとかいちばんやっちゃいけない誤字！ ありがとうございます！本当に助かります！ 修正致しました！ (2019年5月20日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月12日 14時
