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「ねぇ、」
「はい。なんですか?九条さん」
「それ」
「?」
「その、“九条さん”って呼び方」
「それが何か???」
「君より年上の楽は、“楽くん”なのに。僕たち同い歳でしょ」
「そう言われましても…楽くんとは、出逢いが中学生の頃でしたから
最初は、八乙女さんと呼んでいたんですよ。そしたら、親父みたいに呼ばれてる感じがして嫌だって」
「あぁ、楽なら言いそう」
「それで、名前で呼んでくれって。流石に呼び捨ては恥ずかしかったです。事務所契約はまだでしたが、当時から業界でも稀に見る美形でした…制服姿もまた素敵で」
「・・・」
「なんですかその顔。九条さんだって、“君”とか“Aさん”じゃ無いですか」
「A」
「Aさん」
唐突に二度も呼ばれた。ただの自分の名前なのに
恥ずかしくて、恥ずかしくて、顔に熱がどんどん集まって来るのがわかる
「ははっ、顔真っ赤」
「うるさいです!天くん!」
真っ赤な顔を自覚したまま、やり返しのつもりで読んだ名前
見上げた先の天くんの顔は、事務所に置いてある雑誌なんかにあるようなアイドルスマイルではなく
九条天、その人の本当に楽しそうな笑顔で、顔だけではなく全身が沸騰するような感覚に襲われてしまい、両手で顔を覆うのが精一杯だった
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りリ - とーっても面白い作品ですね!めちゃめちゃ続き楽しみです!まってまーす. (3月31日 13時) (レス) @page29 id: 566e94ca36 (このIDを非表示/違反報告)
莉紗(プロフ) - みりかさん» コメントありがとうございます。亀更新ですが、頑張ります! (8月22日 13時) (レス) id: 5aeb398a67 (このIDを非表示/違反報告)
みりか - 続き楽しみにしています✨️✨ (8月21日 18時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉紗 | 作成日時:2023年6月13日 8時