検索窓
今日:21 hit、昨日:11 hit、合計:14,440 hit

09 ページ19

「九条さんっ」

「天っ」

「「「九条さんっ!」」」


間一髪、身体を受け止めるも、私自身体制が整っておらず支えきれない
ゆっくりと彼の身体を正面で抱き止めながらも、床に座り込む。



「九条さん、大丈夫ですか?」

「はぁはぁ」


呼吸が荒く、息苦しそう
先ほどまで、身体を動かしていたとは言え、その体に流れる大量の汗


過呼吸


その文字が頭を駆け巡った
無理もない。この人は、過労で強制入院と診断を受けていたのだ。
先ほどまでのパフォーマンスにより、とても大事なことが頭から抜けていた事に今更気づいた。



「九条さん、ゆっくり、ゆっくりでいいです。呼吸を整えてください」



抱きしめる形で支えている九条さんの背中を優しく、ゆっくりとしたリズムを刻むように叩く
駆け寄ってきた、楽くんや十さん、姉鷺さん、迎え入れるために集まっていたスタッフも心配そうに見ている



「すいません、八乙女さん、十さん、アンコールの準備を…」



そう、このライブはまだ、終わりではない。
先ほどからずっと、一生懸命アンコールを待つファンの声は響き続いている


二人は心配そうにしながらも、そのスタッフに着いていった。
すると、その声に反応し無理矢理にでも動こうとする九条さんの力のない、立ち上がりを感じた



「九条さん、出るおつもりですか」

「っ、無理よ。天、もうあなたは十分に役目を果たしたわ。アンコールは諦めなさいっ」



私の言葉に、九条さんの意思を勘づいた姉鷺さんから静止がかかる

呼吸数の多さに声が出せない九条さんは、私の肩に乗る頭を横に振る
息苦しさによる涙を一雫ほぼしながらもその瞳の意志の強さで、目の前の姉鷺さんに訴えていた

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
214人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りリ - とーっても面白い作品ですね!めちゃめちゃ続き楽しみです!まってまーす. (3月31日 13時) (レス) @page29 id: 566e94ca36 (このIDを非表示/違反報告)
莉紗(プロフ) - みりかさん» コメントありがとうございます。亀更新ですが、頑張ります! (8月22日 13時) (レス) id: 5aeb398a67 (このIDを非表示/違反報告)
みりか - 続き楽しみにしています✨️✨ (8月21日 18時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:莉紗 | 作成日時:2023年6月13日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。