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関係者入り口付近の壁に寄りかかりながらスマホで検索を再び始める
会場は、すでに入場が開始されており、この辺りにいるファンはまばら
それでも、興奮しているであろう声がかすかに聞こえていた
「ここでいいよ、メーター止めて」
あぁ、やっぱり、病院のベットではなく、ここに来たのか
そんな思いを心に秘め、その声の方へ歩みを進める
「王様プリン21個です」
「ありがとう、おかげで少し休めたよ」
見覚えのある一人と、友人だろうか二人の合わせて三人の男性達のうちの一人の背から降りたその人は、一人しっかりと会場内に向けて歩き出していたのだが、数歩で足を止め振り向く
「僕たちは忙しい。だけどお客さんはもっと忙しいかも知れない。
僕たちの仕事は大変だし、やりがいことがある。だけどお客さん達はもっと大変な日々を過ごしていて、もっとやりがいことがあるかもしれない。
そんな中、時間を作って僕たちを見にきてくれる。夢のような楽しい時間を求めて。
だから、瞬間瞬間に最高の価値を与えられないならステージに立っている意味はない。
っと、僕は思う」
「俺、ちゃんと朝飯食う」
「わたぁしも、ちゃんとステージ集中しまぁーす」
そっと九条さんの少し後ろに待機する。
何の話をしていたのか正直分からないが、プロという言葉の意味を人一倍重く受け止めていた九条さんらしい言葉
その言葉に、思いに何かを少しでも感じ取ってくれたのだろうか
ステージと言うし、何かこの道に進もうとしている新人さんなのかもしれない
私は、現在進行形で逃げ出している世界の一つだ
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りリ - とーっても面白い作品ですね!めちゃめちゃ続き楽しみです!まってまーす. (3月31日 13時) (レス) @page29 id: 566e94ca36 (このIDを非表示/違反報告)
莉紗(プロフ) - みりかさん» コメントありがとうございます。亀更新ですが、頑張ります! (8月22日 13時) (レス) id: 5aeb398a67 (このIDを非表示/違反報告)
みりか - 続き楽しみにしています✨️✨ (8月21日 18時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉紗 | 作成日時:2023年6月13日 8時