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5-3 ページ41

『そ、んな……、

そんな訳ないです。
だってそんな、人を殺すなんて…』







「本当ですよ。




…"等々力比呂"によって殺されたんです。」






"等々力比呂"



その名前を聞いた途端、頭の中が真っ白になる。

どうして
なんで、等々力くんが

頭の中で疑問がぐるぐる駆け巡る。





『等々力、くん…

どうして……』






溢れ出た涙がぽろぽろと零れていく。
真っ白なシーツをぎゅっと握りしめた。





「…これを見てください。」





首藤が後ろにいた女性に何かを合図して
女性は私の前にスマホのような画面を見せる。



そこに映されていたのは
監視カメラの映像らしきもので


部屋の真ん中に椅子に何かで拘束されている
等々力くんが映っていた。




『………っ!!


等々力くん!!!!』




「貴方がここで眠っている間に
どうやら駐屯地に潜り込んだようで。

自衛官に成りすましているところを発見され
目的を聞き出そうとしたんですが、
彼、中々口を割ろうとしないんですよ。」



画面の中の等々力くんは
椅子に座っていながらも気絶しているのか
顔はぐったりと傾けられて動く気配はない。






「ただ、小笠原来美と接触した際に
頻りに貴女の居場所を訊ねていたそうなので、

彼は、貴女を助ける為に
ここに来たのではないかと私は踏んでいます。」





その言葉に一瞬息が詰まる。

嬉しかった。
だけど、それと同じくらい

胸が痛くて、

辛くて、

苦しくて。




画面越しの様子では等々力くんが息をしているか
どうかも分からない。



私が、そうさせてしまったんだと
その事実に息を上手く吐き出すことができない。



「今は私がこの件を預かっているので
問題はありませんが、



彼には今射殺許可が出ています。



私が自衛隊に引き渡せば
彼は即時処刑されるでしょう。」




『そんなっ……!!

お願いします、等々力くんを、!』






「まぁまぁ、とりあえず私の話を聞いて下さい。


私達は今
ワクチンの開発研究を行っているのですが……



どうやらそのワクチンを完成させるには
貴女の遺伝子が必要なんですよ。」




『………私の、遺伝子?』





「ええ。


貴女がもし
これから先の人生において何もかもの関係を断ち、


我々の研究に身を捧げることを誓っていただければ


等々力比呂の射殺許可を取り消し
彼の安全を保証しましょう。」

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m(プロフ) - ゆずさん» 2回もコメント頂きありがとうございました(TT)纏めてこちらでのお返事で失礼いたします。面白いと言っていただけてとても嬉しいのでこれからも更新頑張ります! (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - ケイリさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(TT)更新頑張ります!ありがとうございました! (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます…!等々力くんもミンジュンくんも本当にかっこいいですよね...私も展開が予想できなくて毎回ハラハラしてしまいます笑 (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごく面白いです。 (2021年2月23日 22時) (レス) id: a6bc68f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
ケイリ(プロフ) - 物凄く面白い作品をありがとうございます!!毎話ドキドキして読んでいます!これからも楽しみにしています! (2021年2月23日 0時) (レス) id: 593c06699b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:m | 作成日時:2021年2月14日 1時

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