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「普段やったらここまで星は見えへんけどな。


こんな状況やけど、星を見てたら
また頑張ろー!って気ぃ、なるやろ?」


『ふふ、…うん。』



「あーー!あかん!
泣いたらあかんよ!


……Aちゃんは笑顔が似合うんやから、
そうやって笑うとったらええんよ。」




『…ありがとう。(男の名前)くん。』




それから私達は満足するまでこの屋上で
昔話で盛り上がった。



2人でよく隠れんぼをしたこと。
私が(男の名前)くんを見つけられなくて
寂しさの余り大泣きしてしまったこと。
それを見た(男の名前)くんが心配で
隠れてた場所から出てきてしまったこと。



どれも私にとって大切な懐かしい思い出で、
こんな形で再会したものの
嬉しさに泣きそうになってしまう。







そろそろ身体も冷えてきて、戻ろうかという
話になり、屋上から出ようとすると
急に(男の名前)くんに呼び止められる。







「………………なぁ。」



『………うん?』



「俺が、Aちゃんのこと
この街から救い出してあげれるって言うたら
…………どうする?」




『え…?』




「ちょっと訳あってな?
今は理由は話せへんけど、俺なら…


俺ならAちゃんをこの腐った世界から
救い出してあげれる。


それに、あんな自分の事しか考えられんで、
周りの気持ちなんか考えんような自己中の男に
Aちゃんの事、任せたない。」




『そんな、等々力くんはそんな人じゃ、』



「…………Aちゃんがアイツのこと
好きなんは知っとるよ。


何年Aちゃんの事見てきてると思う?


…でもな?」



(男の名前)くんが私の手をぐっと掴んで
自分の方に引き寄せる。



私よりも身長が大きい彼の胸の中に
自分の体が収まり、彼の腕が私の背中に回る。





「…………でもな。


俺だってずっと好きやったんや、
Aちゃんの事が。


……やっと会えた。
離したない。
等々力のとこなんか、行かせたない。」




『(男の名前)、くん………』



彼の抱き締める腕の力が弱まり、
彼の腕から解放される。


(男の名前)くんはじっと私を見つめて
その告白の答えを待っていた。






『………………ごめん。

私は(男の名前)くんの所にはいけない。』

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m(プロフ) - ゆずさん» 2回もコメント頂きありがとうございました(TT)纏めてこちらでのお返事で失礼いたします。面白いと言っていただけてとても嬉しいのでこれからも更新頑張ります! (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - ケイリさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(TT)更新頑張ります!ありがとうございました! (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます…!等々力くんもミンジュンくんも本当にかっこいいですよね...私も展開が予想できなくて毎回ハラハラしてしまいます笑 (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごく面白いです。 (2021年2月23日 22時) (レス) id: a6bc68f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
ケイリ(プロフ) - 物凄く面白い作品をありがとうございます!!毎話ドキドキして読んでいます!これからも楽しみにしています! (2021年2月23日 0時) (レス) id: 593c06699b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:m | 作成日時:2021年2月14日 1時

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