恋する覚悟はできていた2

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自分の髪を洗い終えた後、
タオルを巻いてシャワールームを出る。


目の前にはさっき調達した新しい着替えが
置いてあり体をよく拭いて、服の袖に腕を通した。



丁度同じタイミングでシャワーを終えた
佳奈恵ちゃんも隣のシャワールームから出てくる。




｢あの…Aさん。｣


『ん？』


｢（男の苗字）さんって本当にAさんの
幼馴染なんですか？｣


『…うん。ここに引っ越す前に住んでた家の
近所に住んでたの。
家が近かったからよくお互いの家で
遊んでたことがあったけど…。



（男の名前）くんがどうかした？』




｢あっ、いえ。別に疑ってるとかじゃなくて…。

大学の友達に（男の苗字）さんのファンっていう
子が多くて…。


芸能人でもこんな事に巻き込まれるんだなあ、って｣


確かに佳奈恵ちゃんの言う通り、撮影で訪れた
としてもこんな大惨事に巻き込まれるとは
（男の名前）くんも想像していなかっただろう。




｢いくら設備が整ってるとはいえ、何時助けが
来るのか分からないのに、あんな風に明るく振る舞えるのがすごいなぁって、話していて思いました。｣


『（男の名前）くん、昔から辛いことがあっても
明るく振る舞えることができる人だったから…』





だから彼の周りには絶えず人が集まっていた。


それに小さい頃は何度も彼に
助けられてばかりだった。


同級生の男の子にからかわれて泣いた時も、
何も言えない私に彼が立ち向かって庇ってくれたり。

内にこもりがちだった私を小さい頃から（男の名前）くんは、私の手を取って部屋から色んな場所に連れ出してくれたのを思い出す。



そんな彼は、私にとっては眩しく、
太陽みたいな存在で。

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