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3日後









「………行こう。日暮れが近い。」


「あのう…………もう少し休めないですか?」




本郷さんが撃たれてしまった後。


駐屯地から車で逃げた私達は、あれから本郷さんが
安全だと言っていた横浜方面を目指していた。



車の燃料も底を尽き、歩くことを余儀なくされた
私達は途方もない道程に疲労困憊の状態で。


取り敢えず屍達がいないことを確認した私達は、放置されたコンテナの物陰で休憩を取っていた。




「…我慢してください。

さぁ、立って。」



「皆殆ど寝れてないんだから。あと30分だけ、」


「日暮れが近い。」



等々力くんは本郷さんがいなくなってしまってから
更に間宮くんに対して当たりが強くなったように思う。

等々力くんが無理をいう度、少しづつ、少しづつ。

皆それぞれ言えない不満が溜まり、雰囲気の空気は悪くなっていく。




取り敢えず今は前に進むしかない。
そう言い聞かせるように、重たい腰を上げて立ち上がった。





「いつまでこんなこと続くんですか………」


『佳奈恵ちゃん…。』


「横浜って本当に安全なんですか?」


「本郷さんの話だと、皆そっちに避難してるって…」



「そもそも生きて横浜に辿り着けると思いますか?

これからどんどん化け物増えてくんですよ?!」



「じゃあどうする??

ここで全員野垂れ死ぬっていうのか?」




『……ここで争っても
時間が刻刻と減っていくだけです。


等々力くんの言う通り、
もうすぐ日暮れが近いですし…。


兎に角今は、
私達が今夜休める場所を探しましょう。』




疲れているのは皆同じだ。
だけど私達は歩かなきゃいけない。



佳奈恵ちゃんは納得がいっていないようで小さくため息を吐いた。





もうすぐ日が暮れる。

私達は重い足取りで今夜身を顰められる場所探しのために歩き出したのだった。

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m(プロフ) - ゆずさん» 2回もコメント頂きありがとうございました(TT)纏めてこちらでのお返事で失礼いたします。面白いと言っていただけてとても嬉しいのでこれからも更新頑張ります! (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - ケイリさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(TT)更新頑張ります!ありがとうございました! (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます…!等々力くんもミンジュンくんも本当にかっこいいですよね...私も展開が予想できなくて毎回ハラハラしてしまいます笑 (2021年2月23日 22時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごく面白いです。 (2021年2月23日 22時) (レス) id: a6bc68f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
ケイリ(プロフ) - 物凄く面白い作品をありがとうございます!!毎話ドキドキして読んでいます!これからも楽しみにしています! (2021年2月23日 0時) (レス) id: 593c06699b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:m | 作成日時:2021年2月14日 1時

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