参 ページ4
作之助も今年で七歳になる。
最近悩んでいることがある。それは作之助が同年代の子と遊ばない事だ。と言うより公園ですら遊ばない。
公園は何度もいや、毎日のように連れてきているのだが、同年代の子とは喋りもしないし、遊具にすら興味を持たない。
私がかろうじて
「遊びに行っておいで」と言うと行くには行くのだがすぐに戻ってくるの繰り返し。
一人見知りなのかと疑ったが、子供たちに話しかけられれば普通に話せてはいる。
感情の起伏も乏しいが、気になることには自分から話しかけるし、相手が話しかければきちんと答えてはくれる。
何故作之助は遊ばないのか……
もしや私を一人にしまいと気を使っているのか?
そんなことを思っているとちょうど作之助が本を読み終わりこちらに気づいた。
「作之助、もしやお前私に気を使っているのかい?」
作之助は急に振られた話に頭がついていけてないのか首を傾げる。
「私に気にせず遊んできていいのだよ」
作「気なんて使ってない。僕が母さんと居たいだけだよ」
「でもみんなと遊びたいでしょ?」
作「全然。母さんといる方が楽しい。」
……今やっと気づいた。
この子は私に依存している。
……それも重度の依存だ。
作之助はまるで自分の意思のように動いているがそれは全くの逆である。
勉強も読書も運動もその他諸々、全て自分からやっている……が、その全てが私を中心に回っている。
私が勉強をやるかと聞いた。私が小説という物があると教えた。運動も私が日頃から健康を気にしていたから運動していた。
この子は一度と自分から意思を伝えたことはない。
必要な食事ですら、私から聞かなければ「お腹がすいた」と言わないのだ。
今頃になって気づくなんて……大失態だ。
「……作之助、お前は私を大事にし過ぎる。
自分をもっと大事にしなさい。私と一緒にいたいのはわかるが、自分を粗末にする事は違う事だ。もっと自分の意思を言っていいのだよ」
作「僕は自分の意思を伝えているよ?」
「作之助の行動には私が中心として回っている……違うかい?」
作「違わない」
「それではダメなんだ作之助。意思は自分の心の中に思い浮かべるなにかしようと考える事や、思いのことを言うんだ。私の考えを聞き、それに従っていてはそれは作之助の意思ではなくなってしまう。」
作「でも僕は、母さんと同じ気持ちでいたい。考えを持ちたい。これが僕の意志だよ。」
「それは意思ではない。依存だよ……」
「…して……言うの」
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作者名:來 | 作成日時:2018年4月1日 9時