でもたまには甘えなよ、って。４

ななもり。【失声症】＊みふぁさんリク ページ31

ななもり。 side


あー、よく寝た。


なんて言いながら体を起こした。


こんなに寝れたの久しぶりかも。


でも今日の夢は悪夢だったなぁ…


アンチの夢を見ちゃったんだ。


まぁいいや、ご飯作ろ。


そう意気込んでリビングに降りる。


こ「あ、なーくんおはよー」


ころんじゃん、おはよ。


こ「…なーくん？なんで口をパクパクさせてるの？」


え？


こ「なーくん、声出てないの気付いてる？」


そう言われてやっと気づいた。


…声、出てないんだ。


さ「あれ、なーくんところんじゃん。なんでそんな変な顔してんの？」


こ「さとみくん…なーくんの声が出なくなっちゃった……」


さ「えぇ！？」


こ「僕も昔なったことあるから、多分失声症だと思う。」


そういえば昔、ころんも声が出なくなったことがあった。


病院に行ったらストレスから来る失声症って診断されたんだっけ。


こ「結構失声症って本人はわかりにくいんだよね、声出してるつもりだから」


本当にころんの言う通り。


声出てると思ってた。


こ「さとみくん、看病は任せて。今日さとみくん仕事あるでしょ？」


さとみくんは俺の方を見てからうなずくと、部屋に戻っていった。


こ「さ、なーくん、とりあえず部屋戻ろっか。疲れてるでしょ、ご飯は作らなくていいから。」


ころんに導かれるまま、部屋に戻った。


こ「喉痛いとかない？大丈夫？」


首を縦に振った。


風邪とは違って喉とか呼吸器とかそういうのが痛いわけじゃない。


ただ、“声”だけがなくなっていた。

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