ヒカリトカゲ (ページ8)

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『え？相変わらずって何？初めて…てか私の音だってなんで気付いたの？』

そうだよ…他だってパート練してるのだから、音だって分からないはずだ
サックスは木管楽器の中では目立つ楽器であるが、金管楽器には及ばない…
そう考えていたらはるが話し始めた

「私、２年の最初に転校してきたじゃん。その時の部活紹介の時に吹いてる姿をみてかっこいいなって思ったの」

あの時はサックス吹いてた先輩が引退して私一人でサックスを吹いていた
がむしゃらで…それでも他の木管楽器を吹いている先輩たちにも救われ、中学の頃からサックスを吹いていた後輩も入ってきた。

『あの時はがむしゃらだったんだけどなあ…』

なーにがよかったのかな？？？

「あの時、まなが何かを必死に伝えたいっていうのが伝わって…感動したんだ」

『じゃあなんで吹部に…』

「それと部活は違う…私は陰気じゃん？だからそういうのが向いてないなって思ったの。」

まなと私は住んでいる世界も環境も違うから…

「だけど純粋にファンになったの…！それに…去年の文化祭で出した文芸本を熱心に読んでくれていた」

『ああ、あの時はね、私は文系が苦手なんだけど、心惹かれるものがあったみたいで…
ってあの音に惹かれたっていうのって』

「そう私が書いたの」

とにっこり笑うはる。

…私には文才がないが確かに直感で感じたのだ
この文はまるで私のことを書いてくれてるみたいだと
あの時必死に伝えたかった事、すべて部活紹介の時にぶつけたから…

『まるで運命みたいだね』

「そうだね」

二人で駄弁っていた時後輩が「チューニングしますよー！」と声をかけてくれたのでここでお別れをすることにした。

「あの…！一緒に帰ろう！！」

『部活あと１時間ちょいあるけど大丈夫？』

「うん！図書館で待ってるから大丈夫！」

「わかった！じゃあ後で！」と言い私は後輩たちがいる教室へ駆けていった

はるの言ってた通り確かに私たちは住んでいる世界は違うけども何かが似てる…

そう、私たちは“似た者同士”なんだ

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