オレンジ色の空に恋して

オレンジ色の空に恋して7 ページ7

【yuta side】







到着したのは夕方









すぐにマンハッタンまで移動して
まっすぐホテルに向かうと
その日はそのまま
どこへも出ることはなかった









ホテルの窓から見下ろす
ニューヨークの景色









・・・ここにAがいる









そう考えただけで胸が高鳴った









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翌日








向かったのはAの
住むアパート









ルームシェアしていると
聞いてたから
あまり朝早く行き過ぎるのも
どうかと思って
選んだ時間は朝１０時

突然の訪問にしては
十分早すぎるかもしれないけど
時間を遅らせて
入れ違いになるなんて事は
少しでも避けたかった









タクシーを降りて
手に持った絵葉書と目の前の
景色を照らし合わせる









住んでるアパートの写真を
絵葉書にして近況報告として
送ってきたらしい


住所もあるし
これを持っていけばいいと
俺の手に託され
一緒にニューヨークにやってきた









裕太「ここか・・・」









５階建ての
レンガ調の壁が目立つアパート









書かれていた部屋の前まで移動して
サングラスをはずし
一度深呼吸をしてから
チャイムを鳴らした









・









・









何の反応もない
高さのあるドアを見上げ









・・・いない？









・・・寝てる？









・・・あってるよね？









恐る恐る
もうー度鳴らしたチャイムにも
結果が変わることはなかった









Aの母親から

仕事は正月休みだと聞いてるから
家にいる可能性が高いと思う

なんて聞いてたせいか
正直会えなかった時の事を
あまり考えてなかった




結局、その場に数分立ち尽くしても
何一ついい案すら浮かばずに
一旦アパートを出ることにした









アパートを出て
数段の外階段降りて









振り返って見上げたアパート









・・・どこにいるんだよ









・









・






　
　
　
　
　
　

　
『うーた？』








その声の方へ
視線を向けると








ランニングウェアに
身を包むAの姿








自分から会いに来といて
いざAを目の前にすると
すぐに言葉が出なくて








何度も繰り返してきた
再会のシュミレーションでは
Aもきっと同じで
もしかしたら泣かせちゃうかも
なんて思っっていたのに

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