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｢単刀直入に聞く。…お前、どこまで知ってんだ｣
『ど、どこまでって…過去の事…？』
｢…ああ。｣
『…轟くんの、その火傷の理由とか、炎を使わない理由とか…そういうのは、全部知ってる、…ごめん、』
恐る恐る顔を上げると、轟くんの顔が思ったより近くにあり顔を引きたくなる。後ろは壁だから無理な話だけど。だってこんな綺麗な顔目の前にあったら眩しくて直視出来ないよ！…けど、その瞳は僕を映していない。
『…あの、誰かに言うつもりはない、から…。それに！今、僕だけはこのことを知ってるんだから、その、相談とか、愚痴とか、聞くくらいは出来るから…！』
しどろもどろに伝えたい事を口にする。ああ、肝心な時に言いたい事を纏められないのが辛い。
すると轟くんは少し驚いたような顔をしてちゃんと僕を見た。今だ。
『今はお父さんのこと、憎いかもしれない。お母さんと向き合えないかもしれない。でも、もうすぐ轟くんのその思いがガラッと変わる時が来るから…！』
｢…そんな日が、来るのか｣
『来る！今の僕には何も言えない、本当は伝えたいけど、言うべきなのは僕じゃない、…僕じゃ、駄目なんだ。だけど…うう、何て言ったらいいんだろう、』
1人で悩まないで欲しい、傷つかないで欲しい、…頼って欲しい。そう言いたいけど、轟くんにとって僕は今日初めて会ったただのクラスメイトであり、友達ですらないんだ。そんなことをいう資格はない。…あぁ、伝えられない事がこんなにももどかしい何て。
言葉が見つからず黙り込んだ僕に、轟くんはふと息を吐いた。そして掴んでいた肩を離し僕を真っ直ぐ見据える。
｢…知らない奴に自分の全てを知られてる何て気持ちが悪ぃと思ってたが、…案外悪くねぇんだな。お前だからかもしれねぇが…｣
『へ…？』
思いがけない言葉に目を丸くする。…怒るかと、思ってた。知られたくない心の地雷に踏み込んでいるのに。
｢時間取って悪かったな、もう用は済んだ。｣
『あ、うん…』
もう帰っていいのかとドアを開け外へ出る。そのドアを閉める瞬間隙間から見た轟くんは、じっと自分の左手を見つめていた。まるでその先にいるエンデヴァーを見据えるかの様に。
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倉木 勝(プロフ) - 更新ありがとうございます…！これからも頑張って下さい！図々しくも連コメ失礼しました！ (2017年12月17日 17時) (
レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - 更新されないんですか…？ (2017年12月3日 15時) (レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
柊 命 - とても面白いです！！頑張ってください！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: fd0c5323b2 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - とっても面白かったです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2017年8月22日 18時) (レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らう | 作成日時：2017年8月22日 15時
