31 ページ31
｢死柄木弔｣
｢黒霧、13号はやったのか｣
｢行動不能には出来たものの散らし損ねた生徒がおりまして……一名逃げられました｣
｢…………は？はー…はあ────黒霧おまえ…おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…｣
｢すみません…ですが代わりに1人怪しい者を捕らえまして｣
『ぐえっ！』
ふいに視界が明るくなったと思えば地面とこんにちはする。どうやら黒霧のモヤの中から出して貰えたらしい。痛む頭に右手を当て回復してから見上げると、目の前にはこっちをじっと見つめる死柄木弔の姿が。
『なっ！？しが、死柄木…！？』
｢この方、私の個性を初めから知っていたみたいですし、行動まで言い当てられたんですよ。…今聞いた通り貴方の名前もご存知の様ですし｣
『っ…！！』
しまったと思い口を手で覆う。やっぱり怪しまれていたのか。慌てて立ち上がりちらりと後ろを見ると、脳無が相澤先生の上に乗しかかっていた。掴まれている先生の腕はあらぬ方向へ曲がっている。怖くて直視出来ない…！何とかして回復しないと！！
｢へぇ…君、俺の事知ってるの…誰から聞いた？正直に答えないと…｣
『っえ、…！？』
｢…壊しちゃうよ…？｣
不気味な声に視線を戻すも既に死柄木の姿はなく、代わりに耳元で聞こえた恐ろしい言葉に身を強ばらせる。ひた、と首に冷たい何かが触れる感触がして、目だけ其方に向けるとそれは死柄木の手だという事が分かった。首を囲う様にして伸ばされた腕に中指を立て触れる手。この中指が当てられた瞬間、僕を待っているのは、死。ひゅっと喉の奥が鳴り、カタカタと体が震え出す。何か一つでも間違えば、僕の短い生が終わりを迎えるのだ。
｢時間が無いんだ。さっさと答えろ｣
『…っ答える訳ないだろ…！』
けど、それでも。どんなに怖くても、言ってはならない秘密があるのだ。それに、僕の"個性"であれば死なずに済むかもしれない。胸に右手を当て、いつ個性を使われても良いように覚悟を決めた。然し死柄木は中指を当てる所か、僕からスッと離れていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
倉木 勝(プロフ) - 更新ありがとうございます…！これからも頑張って下さい！図々しくも連コメ失礼しました！ (2017年12月17日 17時) (
レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - 更新されないんですか…？ (2017年12月3日 15時) (レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
柊 命 - とても面白いです！！頑張ってください！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: fd0c5323b2 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - とっても面白かったです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2017年8月22日 18時) (レス) id: bb3d364658 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らう | 作成日時：2017年8月22日 15時
