雨に濡れても【番外編】【ダーマ】【Fischer's】

その手をつないで７ ページ12

『遠く感じちゃった』発言に、ダーマくんの顔色が悪くなる。

ちょ、A？って戸惑うダーマくん。


遠く感じたのは事実。
でも、それでも、私はダーマくんのそばにいたいって思ったから。


「もっと一緒にいないと、置いてかれちゃうなーーー！って思ったの！」



鳩が豆鉄砲って、こんな顔なのかもしれないって顔をするダーマくんに、やだもう、なんだよって笑ってよぉって、肩をバンバン叩く。


一緒に笑ってくれるだろうと思ってたのに、その反応がなんかおかしい。

あれれ？


ダーマくんを見てたら、唖然としてる表情がだんだん我に返って来て、それから音がするくらいの勢いで顔が赤くなっていって。


え？
ええ？


って、こっちもつられて顔が熱くなる。


プイッと顔をそらされたから、私も戸惑う。
怒らせちゃった？
ダーマくん、怒ってる？？



「まさか、言いたいこと先に言われるとは思わんかった……」



言いたいこと？
が、私と同じ？


バッってこっちを見たダーマくんは、ホントに顔が真っ赤っかで、

「Aとずっと一緒にいたい。それを今回のファンミに出て、もっと思った。」

俺が頑張れるのも、Aがいてくれて応援してくれるから。


そう言いながら、私の手を取った。


「中村Aさん。」

「え……は、はい。」


顔は赤いままだったけど、ホントにホントに、優しい笑顔で私を見つめるダーマくん。



「俺とずっと一緒にいてください。俺と……結婚してください。」


何が起こったのか分からない。
ただ、私はポロポロと溢れてくる涙を止められなかった。

そっと拭ってくれるダーマくんは、やっぱり優しい笑顔。


「わ……私でいいの？」

やっと出た言葉に、

「Aじゃなきゃ、嫌だ。」

ってか、言わせんなって！って笑い出すから、私も笑う。

「ダーマくん。返品不可だからね？」

「それを言うか。」

ふたりして顔見合わせて笑ったとこで、


「ダァマァァァァァ！！！！」

って、衝撃音。


シルクさんが号泣して部屋に入って来た。

わんわん泣きながらダーマくんに抱きついて、


「俺は嬉しい！俺は嬉しいぃ！！」

って叫んでて。


ダーマくんはちょっと迷惑そうで、だけど嬉しそうに、気持ち悪ぃわ！！離れろって！！、ってシルクさんを剥がそうとしてる。



聞かれてたのかと思うと恥ずかしかったけど、扉のところにみんな立ってて、嬉しそうに泣き笑いしてるの見たら、


ああ、私幸せだな


って思えた。




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