雨に濡れても【番外編】【ダーマ】【Fischer's】

分かれ！気づけ！１ ページ2

ダーマくんが久し振りに早く帰れるって言うから、ちょっと張り切って夕食の準備をした。

一緒に夕食を食べられるってだけで、こんなにもドキドキワクワクする。



インターフォンが鳴って、ドアを開けると笑顔のダーマくん、と、


「モトキさん！」

同じアパートに住んでるモトキさんも一緒に立っていた。


「アパートの入口で偶然一緒になってな。久し振りにゲーム一緒にやらねぇかって話になってさ。」


ニッコニコ笑顔のダーマくん。

モトキさんはちょっと申し訳なさそう。


「ようこそだよ、モトキさん！夕食まだなら一緒にどうですか？」


モトキさんは、じゃあご馳走になろっかなって、やっといつも笑顔になった。


夕食を３人で食べて、片付けをしてたらモトキさんが

「Aさん、手伝うよ。」

ってキッチンに来てくれた。

「大丈夫ですよ、すぐ終わらせますから。」

って言ったんだけど、

「さっきのさ、ドレッシング凄く美味しかったんだけど、Aさんの手作りでしょ、あれ。」

教えて欲しくてさーってニッコリされたら断れない。


レシピの話をしながらモトキさんと一緒に片付けをする。

リビングからはダーマくんの「あー！コノヤロー！」ってゲームに没頭する声が聞こえる。


時々振り返って、ダーマくんが楽しそうにゲームしてる姿を見て。

それからモトキさんの方を見て。

を、繰り返してたら、モトキさんがクスクス笑い出した。


「え？え？なんか可笑しかったです？」

なんかやらかしちゃったかなぁ？って心配になってそう聞いたら、


「いや、ホントに締まりのない顔して笑うんだなぁって思って。」



へ？


え？


締まりのない顔？


「わ、私？！」

「他に誰がいんの？」


堪らず、食い入るようにダーマ見るんだねって笑い出すモトキさんに、あー！シーシー！！って人差し指を立てた。


「ごめんごめん。Aさんがダーマの事どんだけ好きなのかがよっく分かったわ。」


わし、うれしーって、言ってくれた。


もー、恥ずかしいなぁ。




「モトキー、お前新しいの買ったって言ってなかったっけ。」

「あ、うん。まだやってないんだけどね。」

「じゃあ一緒にやろーぜ。俺も欲しかったやつだし。」



おーいいねぇ、じゃあ持ってくるわって、私に向かって手をヒラヒラとして見せた。


「いってらっしゃい。」

「はーい、いってきます。」


私がクスクス笑うと、モトキさんもクスクスと笑って、それから部屋を出ていった。


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