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脇目も振らずうちへ帰り、ガチャンと鍵を掛けて思いっ切り大きな溜め息をついた。
私、馬鹿だ。
メソメソするくらいならちゃんとダーマくんに言えばいいのに。
言えないくらいなら泣いちゃダメ!
頬をパンパンって叩いた。
今日はまだ平日だし、明日仕事だし。
ダーマくんとは、お休みの日にゆっくり会えばいいもの。
お風呂にお湯張って、そうだ、取っておきの入浴剤あったはず。
気持ちがささくれ立ってしまった時は、直ぐにケアしてあげるのが大事って私は思う。
あ、そう言えば夕ご飯食べ損ねちゃったなぁ。
パスタくらいなら出来るかな?
凝った事は今からはめんどくさいし、パパッとやってしまおう。
手抜き全開で作ったパスタを食べて、お風呂にはゆっくり入って。
上がってからは、柔軟をしっかりやって、早めにベッドに入った。
この時、帰ってから初めてスマホに触って、
LINEを見たけど、ダーマくんからの連絡はない。
「ダーマくん……トラブル、何とかなったのかなぁ。」
ダーマくんが見せた表情が、どうしても引っかかってはいたけど、それを私がどうこう考えたって今すぐ答えが出る訳じゃない。
分かってはいるけど、考えずにはいられなくて。
大好きなダーマくん。
なんで、あんな顔したの?
私がいたら困る、
そんな顔だったよ?
ねぇ、どうして?
「ああ、もう。」
やっぱり泣いてしまう私を、
どうかダーマくん、嫌いにならないで。
結局、私は
明け方まで眠れなくて。
「最っ悪。」
酷い顔してる。
こんな顔して仕事行ったら何言われるか分かったもんじゃない。
でも、
こんな事で仕事休みたくない。
腫れぼったい顔を冷やして、それから蒸しタオルで温めてを繰り返して。
そして何とか朝ご飯をお腹に入れて、仕事に向かう。
ちゃんとしよう、自分の精神状態で、仕事を疎かにしたくない。
そんなの、社会人として失格だもん。
いつもの様に、いつもの笑顔で。
集中しよう。
きっと、
ダーマくんだって同じ様に考えるはずだから。
仕事に没頭してる間は、辛くなくて良かった。
そうしてる方が楽だった。
うちへ帰るのが、
こんなにも怖いと感じたのは初めてかもしれない。
ダーマくんからの連絡は、その日の夜になっても入らなかった。
私からは、出来なかった。
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HANA(プロフ) - 奈々さん» わ!ありがとうございます!!楽しんで貰えたのなら書いた甲斐があります(´∀`)神は言い過ぎだけどwwwでも嬉しかったです! (2020年8月16日 0時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - 最高!最高です!神ですか?神なんですね!とにかく高評価を押しまくってしまいました!今まで読んだ多くの作品中で一番好きな小説でした! (2020年8月16日 0時) (レス) id: 4abe5bda28 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 絵里奈さん» レス遅くなってすみません。最高とか……照れるっっっ!!ホントにありがとう!!! (2018年10月6日 18時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - momomokakoさん» おりょりょりょりょりょりょ。今頃気が付きました、ごめんなさい。そう言って貰えるとホントに嬉しくて励みになります!ありがとうございます(´∀`) (2018年10月6日 18時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
絵里奈(プロフ) - もう、ダーマ様大好きw照れるとかツンデレすぎる所とか全部可愛い。最高の作品です!! (2018年9月26日 0時) (レス) id: 7327575a1a (このIDを非表示/違反報告)
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