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第7話 ページ9

何が何だか分からない私の手を引いてマサイ先輩は自転車置き場まで走り、


「ほら、乗れって!」


って言う。

さも当たり前の様にふたり乗り誘われても、私困るんだけどぉ?!

当然だけど、ここは躊躇せざるを得ない。



だけど、

「早くー!!時間ねぇから!!」

なんて言われたら、乗らない訳にはいかない。


恐る恐る荷台に乗ると、

「飛ばすからな、ちゃんと捕まっててな!」

って私の手を掴むと自分の腰に回させた。


恥ずかしいとか、そんな気持ちになるよりも早く
、自転車は走り出す。



「きゃああああ!!!」

速い、速過ぎる!!

「時間ねぇんだよ、耐えろー!」


時間ないって、何?!

とにかく怖いんだって、助けてモトキくーん!!



しがみつくしかなくて、周りの景色とかそんなの見る余裕もなくて。


「Aちゃん、着いたぞ。」



必死にしがみついてた背中からゆっくり顔を上げる。

ちょっと呆然としてたら、

「時間あったら、しばらく感触を楽しみたいとこのんだけど。」

なんてマサイ先輩が言うから、速攻で自転車を降りた。



「え、えと……ここは?」


目の前にそびえ立つマンション。




近隣で一番背の高いマンションだから、見た覚えはあった。



「こっちこっち。」


って、笑顔で招き入れるマサイ先輩。


「……マサイ先輩、ここ住みですか?」


「ん、まあね。」



ふーん……ってマサイ先輩について入ってから気がつく。


え?ここ、マサイ先輩んち??

私、おうちに誘われてる?!



「そうだけど、見せたいのは屋上。」


Aちゃん、考えてる事だだ漏れだなぁって笑うマサイ先輩。


マサイ先輩の笑顔は爽やかだし、

それなのに私はおバカだしで、

何だか恥ずかしくなって、

黙ってマサイ先輩について行く。



エレベーターで屋上まで上がって、屋上へ出ると思われる扉の前でマサイ先輩は立ち止まる。

ポケットから何かを取り出して、ガチャガチャと金属音。



「普段はね、ここ鍵かけてんだ。危ねぇから。」


そう言って扉の鍵を開けると、さぁどうぞって扉を開けてくれた。




眩しくて一瞬目を閉じて、それからゆっくり目を開いた。



目の前に広がる街並み。


真っ赤に染まった、夕暮れの街。



私は大きく息を吐いて、


それから、




その景色をただ眺めるしか出来なくなった。








.

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HANA(プロフ) - 小町屋さん» あぁあああ!ごめんなさい、コメント気が付きませんでしたぁ!!!マサイくんはイケメン。これ常識www (2018年8月20日 18時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
小町屋(プロフ) - マサイ君にペースを乱されてる夢主ちゃん。でも相変わらずイケメンなマサイ君本当に好き! (2018年7月21日 19時) (レス) id: 40b138f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 小町屋さん» どーもです!!コメントありがとうですです(´∀`)なかなか更新出来てなくて申し訳ないです。頑張るので応援したってくださいな!! (2018年5月4日 22時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
小町屋(プロフ) - お久しぶりの更新!マサイ君の何て言うか、マイペースな感じなんか良きw次楽しみにしてます (2018年5月4日 22時) (レス) id: 40b138f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます!面白いって言ってもらってるのに、どん亀更新で申しわけありません。頑張るからねー!! (2018年1月27日 19時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HANA | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年12月27日 8時

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